不安階層表とは?
認知行動療法(CBT)でよく使われる方法の一つに、「不安階層表(不安階層リスト)」があります。
これは、
「不安を感じる状況を、楽なものから難しいものへ順番に並べる表」
です。
パニック障害になると、
- 電車に乗れない
- 飛行機に乗れない
- 高速道路が怖い
- エレベーターが怖い
など様々な回避行動が起こります。
しかし、いきなり最難関へ挑戦するのは無理があります。
そこで、
「少し頑張ればできそう」
というレベルから段階的に挑戦していくのです。
なぜパニック障害の克服に役立つのか
パニック障害では、
「不安だから避ける」
という行動が繰り返されます。
すると脳は、
危険だから逃げられた
と誤学習します。
これが回避行動の悪循環です。
認知行動療法では、
不安だったけれど何も起きなかった
という経験を繰り返し積み上げます。
この学習によって脳の誤解を修正していくのです。
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私が実際に作成した不安階層表
2020年、再発後にカウンセリングで作成した不安階層表です。
| 階層 | 状況 | 不安度 |
| 1 | 普通電車(駅間5分) | 60 |
| 2 | 普通電車(駅間10分) | 80 |
| 3 | 特急電車 | 100 |
| 4 | 新幹線 | 100 |
| 5 | 飛行機 | 100 |
当時は本当にひどい状態でした。
以前は沖縄出張までできていたにもかかわらず、
普通電車1駅ですら苦しくなっていたのです。
「また振り出しに戻ってしまった」
そんな絶望感がありました。
不安階層表を作るときのポイント
① いきなり最難関から始めない
飛行機が怖いなら飛行機から始めない。
まずは、
- 最寄駅まで行く
- ホームで待つ
- 一駅だけ乗る
といった細かい段階に分けます。
② 少し頑張ればできそうを選ぶ
心理士さんから教わったのは、
不安度40〜60くらい
を目安にすることでした。
不安度90以上ばかり挑戦すると挫折しやすくなります。
③ 反復する
私はここを軽視していました。
以前の克服経験があったため、
一度できれば大丈夫だと思っていたのです。
しかし現実は違いました。
認知行動療法は筋トレに似ています。
継続しないと弱くなります。
段階的暴露法で大切な考え方
認知行動療法で重要なのは、
「不安を消してから乗る」
ではありません。
逆です。
不安があるまま乗る
ことです。
私は長年、
「不安ゼロになったら乗る」
と思っていました。
しかしそれでは永遠に乗れません。
心理士さんからは、
不安を抱えながら行動する練習です
と言われました。
この言葉は今でも覚えています。
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過去を振り返ると、
私には大きな失敗がありました。
それは、
成功体験の間隔が空きすぎたこと
です。
新幹線や飛行機は、
年に1回程度しか乗りませんでした。
その結果、
せっかく積み上げた成功体験が薄れてしまったのです。
実際、
沖縄出張まで達成した後でも、
数年後には飛行機を回避するまで後退しました。
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不安階層表は更新し続けてよい
不安階層表は一度作ったら終わりではありません。
私は20年以上にわたり、
何度も作り直しました。
症状が改善すれば、
より高い目標を追加します。
逆に悪化したら、
もう一度簡単な段階へ戻ります。
それでいいのです。
後退したように見えても、
経験そのものは消えません。
認知行動療法で大切なのは「小さな成功体験」
私が20年以上の経験から感じることがあります。
それは、
劇的な成功よりも、
小さな成功体験の積み重ねの方が大切
ということです。
- 一駅乗れた
- 今日は回避しなかった
- 不安の中でホームに立てた
- 発作が起きても逃げなかった
こうした経験が後になって効いてきます。
実際、
私は各駅停車から始まり、
快速電車
特急列車
新幹線
飛行機
そして沖縄出張まで到達しました。
全ては小さな成功体験の積み重ねでした。
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まとめ
パニック障害の認知行動療法では、不安階層表がとても重要です。
私自身、
- 電車に乗れない
- 飛行機に乗れない
- 沖縄出張なんて絶対無理
という状態からスタートしました。
それでも、
不安階層表を作り、
小さな成功体験を積み重ね、
少しずつ行動範囲を広げていきました。
もし今、
パニック障害で乗り物に乗れず苦しんでいる方がいたら伝えたいです。
最初の一歩は小さくて構いません。
大切なのは、
「できそうな目標を作り、回避せず繰り返すこと」
です。
その積み重ねが、未来の自分を助けてくれるはずです。





