Contents
回避行動とは何か
パニック障害や不安障害の治療でよく出てくる言葉に「回避行動」があります。
簡単に言うと、
「不安になる状況を避けること」
です。
例えば、
- 電車に乗らない
- 急行を避ける
- 新幹線を避ける
- 飛行機を避ける
- 人前に出るのを避ける
といった行動です。
私自身も長年にわたり、さまざまな回避行動を繰り返してきました。
その経験から言えるのは、
回避行動は短期的には楽になりますが、長期的には苦しみを大きくすることがある
ということです。
私が最初に行った回避行動
パニック障害になった当初、私は電車が怖くなりました。
理由は、
「途中で発作が起きたらどうしよう」
という不安です。
そこで、
- 各駅停車を選ぶ
- 乗車時間を短くする
- 途中で降りられる経路を選ぶ
ようになりました。
当時は合理的な判断だと思っていました。
実際、不安は軽くなったからです。
しかし今振り返ると、
それは問題の解決ではなく先送りでした。
-

パニック障害で電車に乗れない人へ|私が20年かけて克服した方法
Contentsパニック障害で電車に乗れなくなった日なぜ電車が怖くなるのか私がやってしまった回避行動認知行動療法との出会い各駅停車から始めた乗車トレーニング失敗と後退を繰り返しながら学んだこと20年か ...
続きを見る
-

予期不安が止まらないときに私が実践した対処法7選|パニック障害との20年
Contents予期不安とは何か私の予期不安はこうして始まった対処法① 呼吸法で体から落ち着かせる対処法② 五感に意識を向ける対処法③ ツボ押しで注意を分散する対処法④ メモを書く対処法⑤ 「今は考え ...
続きを見る
回避すると一時的には楽になる
回避行動の厄介なところは、
本当に楽になることです。
例えば、
電車を避ける。
すると不安は消えます。
飛行機をキャンセルする。
するとホッとします。
だから脳は学習します。
「避けたから助かった」
と。
しかし実際には、
危険だったから助かったのではありません。
単に不安から逃げただけです。
それでも脳は、
「電車は危険」
「飛行機は危険」
という誤った学習を続けてしまいます。
しかし症状は少しずつ悪化していった
私の場合、回避行動は徐々に広がっていきました。
最初は急行電車だけでした。
しかし次第に、
快速電車
↓
普通電車
↓
駅間10分
↓
駅間5分
という具合に苦手な範囲が拡大しました。
気づけば、
電車に乗る前から駅間時間を調べるようになっていました。
さらに、
少しでも駅間時間が長い路線を避け、
大幅に遠回りするルートを選ぶようになりました。
乗車時間は長くなりました。
移動は不便になりました。
それでも安心できるなら良かったのですが、
不安は消えませんでした。
むしろ強くなっていったのです。
気づけば路線バスしか使えなくなっていた
症状が進行すると、
駅間5分すら怖くなりました。
電車に乗ること自体が苦痛になったのです。
そこで今度は路線バスを利用するようになりました。
しかし路線バスは本数が少なく、
移動効率も良くありません。
日常生活の自由度はどんどん下がっていきました。
私はそこで初めて、
回避行動が自分の世界を狭めていることを実感しました。
-

【認知行動療法】パニック再発と回避行動、再び電車に乗れなくなった日々
Contents飛行機を回避してから始まった異変「駅間時間」を調べずにはいられない回避行動が日常を侵食していく20年前の自分に戻ってしまった感覚それでも、もう一度やり直すしかない 飛行機を回避してから ...
続きを見る
一度克服したはずなのに再び乗れなくなった
私にはさらにショックな出来事がありました。
実は過去に、
- 新幹線のぞみ
- 飛行機
- 沖縄出張
まで克服していたのです。
しかし2020年、
飛行機内で強い不安を経験しました。
その後、
帰りの飛行機を回避しました。
その瞬間は安心しました。
しかし代償は大きかったです。
飛行機だけでなく、
電車まで苦手になっていったのです。
私はそこで、
回避行動の怖さを改めて知りました。
-

【認知行動療法】最難関の沖縄出張を達成|飛行機克服の大きな転機
Contentsはじめに羽田空港で感じた緊張感「実況中継」が大きな助けになった機内で実践した“不安から注意をそらす工夫”気づけば“あと30分”着陸遅延すら平気だった復路で起きた“機材トラブル”“完全克 ...
続きを見る
-

【認知行動療法】飛行機を回避し、再び飛べなくなった日
Contentsはじめに出発前までは“好調”だった“離陸後”に突然襲ってきた強烈な不安“ここから逃げ出したい衝動”との戦い“今”を耐えることで精一杯だった「普通に見える苦しさ」札幌滞在中、“帰り”への ...
続きを見る
回避行動から学んだこと
長年の経験から学んだことがあります。
それは、
不安を感じることと、危険であることは違う
ということです。
パニック障害では、
不安を危険信号として受け取ってしまいます。
しかし実際には、
不安が強くても何も起きないことがほとんどでした。
私が新幹線に乗れた時も、
飛行機に乗れた時も、
不安はありました。
それでも行動した結果、
脳は少しずつ学習を修正していきました。
回避してしまったときはどうすれば良いのか
もちろん、
人間ですから回避してしまうこともあります。
私も何度もありました。
大切なのは、
回避したことを責め続けないことです。
重要なのは、
「次にどうするか」
です。
回避してしまったら、
より小さな課題に戻って再挑戦する。
認知行動療法では、この考え方を大切にします。
-

回避してしまったときの対処法まとめ|パニック障害の認知行動療法で大切だった“立て直し方”
Contentsはじめに1.「回避=失敗」と決めつけない2.「ゼロか100か」で考えない3.回避後すぐに「再挑戦」を考えすぎない4.「回避したから悪化した」のではなく、“回避が続く”と悪化する5.目標 ...
続きを見る
-

【認知行動療法】失敗の原因は“練習不足”でした|10年ぶりにカウンセリングを再開
Contents10年ぶりに認知行動療法のカウンセリングへ「新しい特効薬」を探していた自分これまでのトレーニングは間違っていなかった克服を後退させた“長すぎる間隔”今回の不安階層表もう一度、各駅停車か ...
続きを見る
今、回避を繰り返している方へ
もし今、
電車を避けている。
新幹線を避けている。
飛行機を避けている。
そんな状況でこの記事を読んでいる方がいたら、
私の経験から一つだけお伝えしたいことがあります。
回避すると、その日は楽になります。
しかし、
その安心は長く続かないかもしれません。
私自身、
回避を続けた結果、
生活範囲がどんどん狭くなりました。
一方で、
少しずつでも挑戦を続けた時期は、
確実に前へ進むことができました。
だからこそ今は、
「不安を消してから行動する」のではなく、
「不安を抱えながら少しずつ行動する」
ことが大切だと考えています。
回避行動を繰り返した20年以上の経験から得た、私なりの結論です。







