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パニック障害になると飛行機は本当に怖い
パニック障害になると、多くの人が「逃げられない場所」を苦手になります。
その代表例が飛行機です。
- 離陸したら降りられない
- 高高度を飛行する
- 狭い空間に閉じ込められる
- 周囲に迷惑をかけられない
こうした要素が重なり、私にとって飛行機は不安階層表の最上位に位置する存在でした。
認知行動療法を始めた頃、飛行機に対する不安度は100でした。
正直に言えば、100どころではありません。
「絶対に無理」
それが当時の率直な気持ちでした。
11年間飛行機に乗れなかった
私はパニック障害を発症してから11年間、一度も飛行機に乗れませんでした。
帰省もできません。
旅行もできません。
出張も制限されます。
飛行機に乗る機会そのものを避ける生活になりました。
最初の頃は、
「飛行機なんて乗らなくても生きていける」
と思っていました。
しかし年齢を重ねるにつれ、
- 両親の高齢化
- 仕事の出張
- 人生経験の制限
などを強く意識するようになります。
飛行機に乗れないことは、単なる移動手段の問題ではありませんでした。
人生の選択肢そのものを狭めていたのです。
認知行動療法で始めた段階的トレーニング
いきなり飛行機に挑戦したわけではありません。
まずは電車から始めました。
各駅停車。
快速電車。
特急列車。
新幹線こだま。
新幹線ひかり。
そして新幹線のぞみ。
何年もかけて段階的にトレーニングを続けました。
認知行動療法では、このように小さな成功体験を積み重ねていきます。
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伊丹―羽田便で11年ぶりの飛行機
2014年。
新幹線のぞみの最長無停車区間をクリアした私は、ついに飛行機へ挑戦しました。
区間は伊丹―羽田。
搭乗ゲート前では強い不安がありました。
何度も帰りたくなりました。
しかし、
「ここで逃げたら後悔する」
そう考えて踏みとどまりました。
搭乗後しばらくすると、不安は徐々に落ち着きました。
そして気づけば羽田空港。
11年ぶりの飛行機でした。
飛んだ。
本当に飛んだ。
その事実だけで涙が出そうになりました。
羽田―札幌便で見えた課題
次の挑戦は羽田―札幌便でした。
距離も時間も長くなります。
結果として搭乗はできました。
しかし今回はかなり苦戦しました。
搭乗直前に強烈な回避衝動が発生したのです。
手が震えました。
逃げたい気持ちでいっぱいでした。
それでも妻に支えられながら搭乗し、何とか札幌へ到着しました。
成功は成功です。
しかし、
「もう克服した」
とは思えませんでした。
パニック障害は単純な右肩上がりではないことを痛感しました。
最大の目標「沖縄出張」
認知行動療法を始めた頃に作成した不安階層表。
その最上位が沖縄出張でした。
飛行機で沖縄へ行く。
しかも仕事。
逃げられません。
当時の私は、
「そんな日が来るわけがない」
と思っていました。
しかし、
- 伊丹便成功
- 札幌便成功
- 新幹線成功
という経験を積み重ねる中で、
「今なら挑戦できるかもしれない」
と思えるようになったのです。
出発前に襲ってきた予期不安
沖縄出張が決まってからは、何度も予期不安に襲われました。
特に怖かったのは、
- 閉塞感
- 逃げられない状況
- 長時間の飛行
でした。
しかし以前と違ったのは、
予期不安に振り回され続けなかったことです。
考えても答えは出ません。
出発日まで不安を先送りする。
その考え方が少しずつ身についていました。
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沖縄行き当日の体験談
搭乗前には緊張しました。
もちろん不安もありました。
しかし私は過去の成功体験を思い出しました。
- 乗ってから失敗したことは少ない
- 不安は時間とともに下がる
- 対処法を持っている
そう考えながら搭乗しました。
機内では、
- 読書
- 音楽
- 動画視聴
- メモ書き
などを活用しました。
気づけば到着まで残り30分。
心配していた閉塞感もほとんど感じません。
むしろ眠くなっていました。
着陸後、
私は初めてこう思いました。
「飛行機はもう大丈夫かもしれない」
沖縄出張を達成してわかったこと
沖縄出張を終えて感じたことがあります。
それは、
克服とは“不安がゼロになること”ではない
ということです。
出発前には不安がありました。
搭乗前にも緊張しました。
しかし、
不安があっても行動できた。
それが大きな変化でした。
認知行動療法の本質はここにあります。
不安を消すことではなく、
不安があっても行動できる範囲を広げることです。
パニック障害でも飛行機に乗れる日は来る
私は飛行機を克服するまで15年以上かかりました。
途中で何度も失敗しました。
何度も回避しました。
それでも少しずつ前進し、
最終的には沖縄出張という大きな目標を達成できました。
もちろん、その後も再発や後退はありました。
パニック障害は一直線に治る病気ではありません。
しかし私は今でも思っています。
あの時、挑戦して良かったと。
もし今、
飛行機に乗れず悩んでいる人がいるなら伝えたいです。
今日乗れなくても大丈夫です。
一歩ずつで構いません。
私自身、11年間飛行機に乗れなかったところから始まりました。
だからこそ言えます。
パニック障害でも、飛行機に乗れる日は必ずやってきます。



