資産運用

公的年金は60歳から繰上げ受給します|私が65歳を待たないと決めた理由

2026年7月25日

「年金は65歳から受給するもの。」

そのように考えている方は多いのではないでしょうか。

確かに、公的年金の受給開始年齢は原則65歳です。

一方で、60歳から64歳までの間に受給を開始する「繰上げ受給」、66歳から75歳まで受給を遅らせる「繰下げ受給」という制度も用意されています。

私はこれまで何度もシミュレーションを繰り返し、最終的に60歳から繰上げ受給することを決めました。

この記事では、実際の私の年金見込額やライフプランをもとに、その理由を詳しく解説します。

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私の公的年金見込額

ねんきん定期便によると、60歳まで現在の勤務を続けた場合の見込額は次のとおりでした。

受給開始受給額
65歳受給年額 2,783,087円
月額  231,924円
60歳繰上げ受給(24%減額)年額 2,115,146円
月額  176,262円

60歳から受給すると、生涯にわたり24%減額されます。

数字だけを見ると、大きな損に見えるかもしれません。

私も最初はそう思っていました。

しかし、年金は「年額」だけではなく、「いつ受け取るか」という視点で考えるべきだと気付きました。

何歳まで生きれば受給総額が逆転するか計算してみた

まず、受給総額を比較してみました。

81歳まで生きた場合

受給方法受給総額
65歳受給25,295,050円
60歳繰上げ受給25,356,030円

平均寿命付近では、両者の差はほとんどありません。

むしろ、私の試算では60歳受給の方が約6万円多い結果になりました。

100歳まで生きた場合

受給方法受給総額
65歳受給55,446,150円
60歳繰上げ受給48,578,210円

100歳まで長生きすれば、65歳受給の方が約687万円多く受け取れます。

この数字を見ると、「やはり65歳受給の方が得なのでは?」と思われるでしょう。

しかし、私が重視したのは「生涯の受給総額」ではなく「人生でいつお金が最も必要なのか」でした。

お金が最も必要なのは60代前半

私は60歳以降の収支を整理してみました。

すると、

支出は年々減少し、

収入は年々増加する

という傾向が見えてきました。

定年後の支出は減少傾向

  • 子どもの独立で教育費と生活費は減少
  • 旅行や趣味は年齢とともに減少
  • 社会保険料も65歳以降は軽減
  • 住宅ローンも完済すればゼロ

つまり、

最も支出が多いのは、

まだまだ元気で定年後の自由を満喫したい60代前半

です。

収入は定年直後を底とし、以降は増加傾向

私の退職後の収入源は、公的年金だけではありません。

  • NISAの定期取崩し
  • 退職金運用による配当所得
  • マイクロ法人の役員報酬(給与所得)
  • ブログ等の事業所得

これらは時間を味方につけて成長する所得です。

時間が経つほど、キャッシュフローは改善していくと考えています。

つまり、

60代前半こそ一番お金が必要で、

70代以降はむしろ余裕が出てくる。

だから私は、

一番必要な時期に年金を受け取りたい

と考えました。

在職定時改定という制度も後押しになった

2024年10月から始まった「在職定時改定」も、私が繰上げ受給を選んだ理由の一つです。

この制度では、老齢厚生年金を受給しながら厚生年金に加入して働く人は、毎年10月に年金額が見直されます。

つまり、

繰上げ受給を選んだからといって、年金額が一生固定されるわけではありません。

私の場合は、定年後にフルタイムで再就職する予定はありません。

その代わり、妻のブログ運営を中心としたマイクロ法人を設立し、法人から役員報酬を受け取る計画です。

役員報酬を社会保険加入要件を満たす範囲で設定すれば、無理なく厚生年金に加入し続けることができます。

その結果、在職定時改定によって年金受給額は毎年少しずつ増えていきます。

もちろん増額幅は大きくありません。

しかし、

「24%減額されたまま一生変わらない」

というイメージとは異なることを知り、繰上げ受給への不安はかなり小さくなりました。

インフレ時代は「早く受け取る価値」が高い

日本は長らくデフレが続きましたが、近年はインフレ局面に入りました。

インフレでは、お金の価値は時間とともに下がります。

今年受け取る100万円と、

5年後に受け取る100万円では、

今年の100万円の方が価値があります。

私は早く受け取った年金を生活費だけでなく、NISAや資産運用にも活用したいと考えています。

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制度改正という見えないリスク

今後20年、30年先まで現在の年金制度がそのまま維持される保証はありません。

少子高齢化が進む中、

支給開始年齢、

税金、

社会保険料など、

制度が見直される可能性は十分考えられます。

私は、

65歳以降の繰下受給で、将来の年金増額の約束に期待するより、

60歳の繰上受給で、今受け取れる確かな現金を重視したいと思いました。

死亡リスクも忘れてはいけない

年金の話では「長生きリスク」がよく語られます。

しかし、

誰も100歳まで生きる保証はありません。

もし早く亡くなれば、

受け取らなかった年金は家族へ相続されることはありません。

だから私は、

長生きだけではなく、

死亡リスクも含めて判断しました。

それでも長生きしたら後悔しないのか

もちろん、

100歳まで生きれば65歳受給の方が有利です。

しかし私は、その対策も考えています。

60歳から受け取った年金のうち、使わなかった分はNISAなどで運用する予定です。

仮に60代の生活費に余裕があれば、その資産が将来の年金のような役割を果たしてくれます。

つまり、

「早く受け取り、自分で育てる」

という考え方です。

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私が60歳繰上げ受給を選んだ本当の理由

私が目指しているのは、

「100歳で一番お金持ちになること」

ではありません。

相対的に若く、健康で、体力もある60代を充実して過ごすことです。

旅行に行く。

趣味を楽しむ。

家族との時間を増やす。

新しいことに挑戦する。

これらは、お金があっても80代、90代では難しくなるかもしれません。

だからこそ、

私は人生で最も価値がある60代前半に、お金を使える環境を整えたいと考えています。

そのための手段として選んだのが、60歳からの公的年金繰上げ受給です。

繰上げ受給した場合、加給年金は支給されません

加給年金は、厚生年金に20年以上加入した人が老齢厚生年金を受給するときに、

一定の条件を満たす配偶者や子どもがいる場合に加算される「家族手当」のような制度です。

配偶者が65歳未満であることなどの条件を満たすと支給されます。

繰上げ受給のデメリットとして、

加給年金を受けられなくなる点が挙げられます。

ただし、私の場合は妻が私より1歳年上であるため、

私が65歳になる時点では妻は66歳となり、

もともと加給年金の対象にはなりません。

そのため、この点は私の判断には影響しませんでした。

まとめ

公的年金の受給開始年齢に、万人共通の正解はありません。

長生きに備えて65歳や70歳まで待つという考え方も、十分合理的です。

一方で私の場合は、

  • 60代前半が最も支出の多い時期であること
  • 在職定時改定を活用できること
  • マイクロ法人で無理なく厚生年金に加入する予定であること
  • 受け取った年金を資産運用に回せること
  • インフレや制度改正など将来の不確実性を考慮したこと

これらを総合的に判断し、60歳から繰上げ受給するという結論に至りました。

「何歳まで生きれば得か」という損得だけでなく、「人生でいつお金が最も必要なのか」という視点で考えてみると、自分に合った答えが見えてくるかもしれません。

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