回避行動とは何か
パニック障害や不安障害の治療でよく出てくる言葉に「回避行動」があります。
簡単に言うと、
「不安になる状況を避けること」
です。
例えば、
- 電車に乗らない
- 急行を避ける
- 新幹線を避ける
- 飛行機を避ける
- 人前に出るのを避ける
といった行動です。
私自身も長年にわたり、さまざまな回避行動を繰り返してきました。
その経験から言えるのは、
回避行動は短期的には楽になりますが、長期的には苦しみを大きくすることがある
ということです。
私が最初に行った回避行動
パニック障害になった当初、私は電車が怖くなりました。
理由は、
「途中で発作が起きたらどうしよう」
という不安です。
そこで、
- 各駅停車を選ぶ
- 乗車時間を短くする
- 途中で降りられる経路を選ぶ
ようになりました。
当時は合理的な判断だと思っていました。
実際、不安は軽くなったからです。
しかし今振り返ると、
それは問題の解決ではなく先送りでした。
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回避すると一時的には楽になる
回避行動の厄介なところは、
本当に楽になることです。
例えば、
電車を避ける。
すると不安は消えます。
飛行機をキャンセルする。
するとホッとします。
だから脳は学習します。
「避けたから助かった」
と。
しかし実際には、
危険だったから助かったのではありません。
単に不安から逃げただけです。
それでも脳は、
「電車は危険」
「飛行機は危険」
という誤った学習を続けてしまいます。
しかし症状は少しずつ悪化していった
私の場合、回避行動は徐々に広がっていきました。
最初は急行電車だけでした。
しかし次第に、
快速電車
↓
普通電車
↓
駅間10分
↓
駅間5分
という具合に苦手な範囲が拡大しました。
気づけば、
電車に乗る前から駅間時間を調べるようになっていました。
さらに、
少しでも駅間時間が長い路線を避け、
大幅に遠回りするルートを選ぶようになりました。
乗車時間は長くなりました。
移動は不便になりました。
それでも安心できるなら良かったのですが、
不安は消えませんでした。
むしろ強くなっていったのです。
気づけば路線バスしか使えなくなっていた
症状が進行すると、
駅間5分すら怖くなりました。
電車に乗ること自体が苦痛になったのです。
そこで今度は路線バスを利用するようになりました。
しかし路線バスは本数が少なく、
移動効率も良くありません。
日常生活の自由度はどんどん下がっていきました。
私はそこで初めて、
回避行動が自分の世界を狭めていることを実感しました。
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一度克服したはずなのに再び乗れなくなった
私にはさらにショックな出来事がありました。
実は過去に、
- 新幹線のぞみ
- 飛行機
- 沖縄出張
まで克服していたのです。
しかし2020年、
飛行機内で強い不安を経験しました。
その後、
帰りの飛行機を回避しました。
その瞬間は安心しました。
しかし代償は大きかったです。
飛行機だけでなく、
電車まで苦手になっていったのです。
私はそこで、
回避行動の怖さを改めて知りました。
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回避行動から学んだこと
長年の経験から学んだことがあります。
それは、
不安を感じることと、危険であることは違う
ということです。
パニック障害では、
不安を危険信号として受け取ってしまいます。
しかし実際には、
不安が強くても何も起きないことがほとんどでした。
私が新幹線に乗れた時も、
飛行機に乗れた時も、
不安はありました。
それでも行動した結果、
脳は少しずつ学習を修正していきました。
回避してしまったときはどうすれば良いのか
もちろん、
人間ですから回避してしまうこともあります。
私も何度もありました。
大切なのは、
回避したことを責め続けないことです。
重要なのは、
「次にどうするか」
です。
回避してしまったら、
より小さな課題に戻って再挑戦する。
認知行動療法では、この考え方を大切にします。
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今、回避を繰り返している方へ
もし今、
電車を避けている。
新幹線を避けている。
飛行機を避けている。
そんな状況でこの記事を読んでいる方がいたら、
私の経験から一つだけお伝えしたいことがあります。
回避すると、その日は楽になります。
しかし、
その安心は長く続かないかもしれません。
私自身、
回避を続けた結果、
生活範囲がどんどん狭くなりました。
一方で、
少しずつでも挑戦を続けた時期は、
確実に前へ進むことができました。
だからこそ今は、
「不安を消してから行動する」のではなく、
「不安を抱えながら少しずつ行動する」
ことが大切だと考えています。
回避行動を繰り返した20年以上の経験から得た、私なりの結論です。







