資産運用

定年後の退職金運用に日本高配当ETFは必要か?私が米国ETFを選んだ理由

2026年8月11日

「退職金は日本高配当ETFと米国高配当ETFを組み合わせて運用しよう」

定年後の退職金運用を考え始めた頃、私は日本高配当ETFをポートフォリオに組み入れる予定でした。

日本企業なら馴染みもありますし、円で分配金を受け取れる安心感もあります。

ところが実際に調べてみると、日本高配当ETFには思っていたほど高利回りの商品がありません。

さらにJ-REITや高配当個別株まで比較してみた結果、私は最終的に退職金運用を米国高配当ETF中心で考えるようになりました。

しかし、それは決して

「日本株が嫌いだから」

ではありません。

むしろ私は、

退職金運用だけではなく、保有資産全体を一つのポートフォリオとして考えた結果

この結論にたどり着いたのです。

今回は、その考え方を詳しくご紹介します。

日本高配当ETF・J-REIT・個別株を比較してみた

退職後に分配金生活を考える場合、日本国内では大きく3つの選択肢があります。

  • 日本高配当ETF
  • J-REIT
  • 高配当個別株

それぞれを比較すると次のようになります。

比較項目日本高配当ETFJ-REIT高配当個別株
利回り★★★☆☆(3〜5%程度)★★★★☆(4〜6%程度)★★★★★(8%超も存在)
分散投資×
減配リスク
管理の手間少ない少ない多い

一見すると、

「個別株が一番利回りが高い」

ように見えます。

しかし、ここには大きな落とし穴があります。

利回り8%の個別株は本当に魅力的なのか?

日本株でも配当利回りが8%を超える銘柄は毎年存在します。

しかし、その多くは

  • 株価が急落している
  • 減配が予想されている
  • 一時的な特別配当が含まれている
  • 景気敏感業種で利益変動が大きい

などの理由があります。

つまり、

高利回り=安全

ではありません。

退職金という大切な資産を運用するには、少しリスクが高いと私は感じました。

J-REITは魅力的だが決め手に欠けた

次に検討したのがJ-REITです。

日本高配当ETFよりも利回りが高く、

4〜6%程度の分配金が期待できます。

しかし、

  • 金利上昇に弱い
  • 株式市場と同じように価格が大きく動く
  • 私が目標としている8%前後のキャッシュフローには届かない

という点から、主力として採用する決め手にはなりませんでした。

日本高配当ETFは安心感はあるが利回りが低い

日本高配当ETFの魅力は、

  • 分散投資できる
  • 管理が楽
  • 円建て資産である

ことです。

しかし、実際の分配金利回りは3〜5%程度の商品が中心です。

私が目指している

「退職金を活用して毎月の生活費を補う」

という目的から考えると、少し物足りなく感じました。

なぜ日本には高インカムETFが少ないのか?

調べていて最も驚いたのは、

日本には退職後のインカム運用に特化したETFがほとんど存在しない

ということでした。

その理由はいくつかあります。

理由① 日本企業は内部留保を重視する

日本企業は利益が出ても、

米国企業ほど積極的に配当へ回しません。

内部留保や設備投資を重視する企業文化があり、

高配当企業でも利回りは3〜5%程度に落ち着きます。

理由② ETFは企業の配当以上には分配できない

日本高配当ETFは、

企業から受け取る配当金が分配金の原資です。

企業の平均利回りが4%程度なら、

ETFも自然と同じくらいになります。

理由③ 米国ETFは仕組みそのものが違う

私が現在注目している

  • QQQI
  • SPYI

などは、

単なる高配当ETFではありません。

株式を保有しながら

カバードコール戦略

によるオプションプレミアムも分配金に加えています。

つまり、

高い分配金は

企業配当だけではなく、

オプション収入によって支えられているのです。

理由④ 日本では「取り崩し」が主流

日本では退職後、

資産を増やすことよりも、

資産を計画的に取り崩す

という考え方が一般的です。

金融機関も、

インデックスファンドを保有しながら毎月一定額を売却する方法を勧めることが多く、

高インカムETFへの需要は米国ほど大きくありません。

そのため、定年後の退職金運用に適したETFの商品開発も進みにくいのが現状です。

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退職金運用だけではなく保有資産全体でポートフォリオを考える

ここまで調べた結果、

私はあることに気付きました。

それは、

退職金運用だけを見てポートフォリオを考えるのはバランスが悪い

ということです。

定年後の家計には

  • 公的年金
  • 持ち家
  • 退職金運用
  • NISA取崩し

などがあります。

私は、

これら全てを一つのポートフォリオとして考えることにしました。

この考え方に変えたことで、

「退職金運用では日本株を持たなくてもよいのではないか」

という結論にたどり着いたのです。

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公的年金も資産運用の一部と考える

私は以前、

公的年金をいつ受け取るべきか何度もシミュレーションしました。

そして最終的に、

60歳から繰上げ受給する

という結論になりました。

一般的には、

「繰上げ受給は損」

と言われることが多いでしょう。

しかし、私は

退職金運用と公的年金を合わせて考える

という視点を採りました。

退職金からの分配金だけで生活するのではなく、

公的年金という安定収入を組み合わせることで、

60歳からのキャッシュフローを早期に安定させることを重視したのです。

また、公的年金は日本経済や賃金、物価の動向とも深く関係しています。

年金積立金自体も国内外の株式や債券へ幅広く投資されています。

そのため私自身は、

退職金の中で無理に日本株比率を高めなくても、資産全体として見れば日本とのつながりは十分ある

と考えています。

もちろん、これは万人に当てはまる答えではありません。

しかし、「退職金だけを見る」のではなく、「人生全体の収入と資産」で考えることで、私にとっては米国ETF中心の運用が最も合理的だという結論になりました。

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持ち家は「実物J-REIT」と考える

もう一つ大きな気付きがありました。

それは、

私はすでに日本の不動産を保有している

ということです。

もちろん、自宅とJ-REITは同じものではありません。

J-REITは収益不動産へ投資する金融商品であり、

自宅は住むための資産です。

しかし、

資産全体という視点で見れば、

私はすでに日本の不動産市場や金利の影響を受ける資産を保有しています。

さらに住宅ローンは借り換えを行い、

総支払利息を大きく削減することができました。

住宅という大きな実物資産を持ち、ローン負担も見直した今、

私は退職金の中でまでJ-REITを無理に組み入れる必要性を感じませんでした。

退職金には、

「毎月の生活費を生み出す役割」

だけを担わせれば十分だと考えたからです。

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私が目指しているのは「お金を増やす運用」ではありません

退職後の資産運用というと、

「資産を何倍に増やす」

という話が目立ちます。

しかし、私は少し違う考え方をしています。

私が退職金に期待している役割は、

毎月、安心して生活費を生み出してくれること

です。

つまり、

現役時代の「給料」のような役割を、退職金に担ってもらいたいのです。

そのため、

値上がり益だけを期待するインデックス投資よりも、

毎月安定した分配金が期待できるETFを中心に考えています。

私が考えている退職金ポートフォリオ

現在、私が検討している構成は次のとおりです。

ETF割合主な役割
QQQI30%NASDAQ100を活用した高インカム
SPYI30%S&P500を活用した高インカム
SPHY30%高利回り債券による安定収入
JPST10%一定の利回りを有する待機資金・暴落時のリバランス資金

一見すると、

「少し攻めすぎでは?」

と思われるかもしれません。

しかし、それぞれに明確な役割があります。

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なぜQQQIとSPYIなのか

QQQIとSPYIは、

どちらもカバードコールETFです。

株式を保有しながら、

オプションプレミアムも受け取ることで、

高い分配金を目指しています。

もちろん、

株価上昇局面では通常のインデックスETFほど値上がりしないという弱点もあります。

しかし、

退職後に私が必要なのは、

大きな値上がりではなく、

毎月のキャッシュフローです。

そのため、

私はこのデメリットを受け入れることにしました。

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SPHYを組み合わせる理由

退職後は、

株式100%という運用には不安があります。

そこで組み入れたのが、

米国ハイイールド債ETFであるSPHYです。

債券といっても、

高利回り債なので、

株式ほどではないものの、

比較的高い分配金が期待できます。

また、

株式とは異なる値動きをするため、

ポートフォリオ全体の安定性向上にも役立つと考えています。

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JPSTは「保険」のような存在

JPSTは米短期債ETFです。

分配金は高くありません。

しかし、

このETFには、

私にとって非常に重要な役割があります。

それは、

暴落時に動ける資金

です。

相場が急落したとき、

JPSTを売却して

QQQIやSPYIを買い増す。

そのための待機資金として考えています。

また、

急な出費にも対応しやすいため、

精神的な安心感にもつながります。

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まとめ|日本高配当ETFを組み入れない理由

ここまで読まれた方の中には、

「それでも日本高配当ETFを少しくらい入れてもいいのでは?」

と思われる方もいるでしょう。

円建て資産を増やしたい人や、

為替リスクを少し抑えたい人には、

日本高配当ETFは有力な選択肢になります。

しかし、

私の場合は違いました。

資産全体で考えると、

  • 公的年金
  • 持ち家
  • 日本での生活

という、

すでに日本と強く結びついた資産や収入があります。

そして私の退職金運用の目的は、

「60歳から毎月の生活を支えるキャッシュフローを生み出すこと」

だからこそ、

分配金利回りが低い日本高配当ETFではなく、

安定して高い分配金を出す米国高配当ETFを中心としたポートフォリオを選びました。

もちろん、これは私自身の資産運用計画であり、すべての人に当てはまるわけではありません。

それでも、この記事が、

「退職金運用(株式運用)だけを切り離して考えるのではなく、保有資産全体を含めて資産運用設計する」

という視点を持つきっかけになれば、とてもうれしく思います。

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