資産運用

DIVOとQDVOの違いを比較|退職金運用に組み入れるべきか検証

2026年8月22日

退職後の資産運用では、「どれだけ資産を増やせるか」だけでなく、保有資産からどれだけ安定したインカムを得られるかが重要になります。

私自身、定年退職後の資産運用では、退職金をできるだけ長く維持しながら、分配金を生活費として活用することを目標にしています。

現在、私が想定している退職金運用ポートフォリオは、

  • QQQI:30%
  • SPYI:30%
  • SPHY:30%
  • JPST:10%

です。

現在の退職金運用ポートフォリオの詳細と、それぞれのETFを選んだ理由についてはこちらの記事で公開しています。

そんな中、楽天証券で新たにDIVOとQDVOが取り扱われるようになりました。

どちらも「インカムを得ながら株式の成長も狙う」という特徴を持つETFです。

そこで今回は、DIVOとQDVOの設計の違いを比較し、私の退職金運用に組み入れる価値があるのかを検討してみます。

結論を先に言えば、現時点では現在のポートフォリオを変更する予定はありません。

ただし、QDVOについては、今後の実績次第ではQQQIの一部を振り替える可能性があります。

DIVOとは?

DIVOは、米国の大型株を中心に投資しながら、保有銘柄に対してカバードコール戦略を活用するETFです。

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DIVOの特徴は、単純に「分配金を最大化する」ことではありません。

配当を行う大型株を保有しながら、相場環境に応じてコールオプションを売却し、配当収入+オプションプレミアム+株価上昇によるトータルリターンを狙います。

つまり、

インカムを確保しながら、株式の値上がりもある程度取り込む

という設計です。

この点が、QYLDのような「高い分配金を得ること」により重点を置いたカバードコールETFとは異なります。

DIVOは、インカムだけでなくキャピタルゲインも重視するETFなのです。

カバードコールETFそのものの仕組みについては、こちらの記事で詳しく解説しています。

QDVOとは?

QDVOは、DIVOを運用するAmplify ETFsとCWPが提供する、より成長志向のETFです。

こちらも株式を保有しながら、戦術的にカバードコールを活用します。

ただし、DIVOよりも成長株への投資を強く意識した設計になっています。

QDVOのベンチマークとなるのがS&P500 Growthです。

S&P500 Growthは、S&P500の中から成長特性の強い企業を選別した指数です。

現在の構成を見ると、NVIDIA、Microsoft、Apple、Alphabet、Broadcom、Meta、Amazonなど、NASDAQ100でも中心となる大型グロース株が多数含まれています。

そのため、QDVOは「S&P500に少し成長株を足したETF」というより、大型グロース株を中心にしながらインカムも狙うETFと考えた方が分かりやすいでしょう。

DIVOとQDVOを比較してみる

両者の違いを表にすると、次のようになります。

比較項目DIVOQDVO
正式名称Amplify CWP Enhanced Dividend Income ETFAmplify CWP Growth & Income ETF
設定日2016年12月2024年8月
運用会社Amplify ETFsAmplify ETFs
運用スタイルアクティブ運用アクティブ運用
主な投資対象米国の高品質な大型株米国の大型成長株
株式選定の特徴配当・利益成長、キャッシュフロー、ROEなどを重視利益成長、キャッシュフロー、相対的なパフォーマンスなどを重視
保有銘柄数20~25銘柄を基本とする20~40銘柄を基本とする
株式の性格配当成長株・大型優良株グロース株・大型成長株
セクター構成金融・IT・資本財など比較的分散IT・通信・一般消費財など成長セクターへの比重が高い
オプション戦略個別株に対する戦術的カバードコール個別株および広範な市場指数に対する戦術的カバードコール
カバードコールの目的配当+オプション収入を得ながら総合リターンを狙う成長株の値上がり余地を残しながらオプション収入を得る
インカム中程度DIVOより高めを狙う設計
分配頻度毎月毎月
現在の分配率約4.8%約10.7%
成長性◎を狙う設計
NAV成長への期待◎を狙う設計
株価上昇余地比較的残すより重視
株価上昇を制限する可能性カバードコールによりありカバードコールによりあり
下落相場への期待配当・オプション収入による一定のクッション配当・オプション収入による一定のクッション
運用実績長い短い
経費率0.56%0.56%

ここで注意したいのが、QDVOの「成長性◎」は、現時点ではあくまで設計上の期待だということです。

QDVOは2024年設定の比較的新しいETFです。

したがって、

「QDVOはDIVOよりNAVが上昇する」

と断言できるだけの長期実績は、まだありません。

これは今後QDVOを評価するうえで非常に重要なポイントです。

DIVOとQDVO以外にも、QQQI、SPYI、JEPQ、JEPIなど、さまざまなカバードコールETFがあります。主要銘柄を横並びで比較した結果はこちらの記事でまとめています。

NAVが上がっても、分配金が増えるわけではない

ここは非常に重要です。

例えば、

NAVが100ドルで年間分配金が10ドルなら、分配率は10%です。

その後、NAVが120ドルになったとしても、分配金が10ドルのままなら、

10ドル÷120ドル=8.33%

となります。

つまり、

NAVが上昇したからといって、分配金が自動的に増えるわけではありません。

むしろ、分配金が変わらなければ、NAVの上昇によって分配率は低下します。

では、NAV成長には意味がないのか?

もちろん、そんなことはありません。

NAVが上昇すれば、資産そのものが増えています。

例えば、

3,000万円→3,600万円

となれば、600万円の資産成長です。

この600万円を生活費として使いたければ、ETFを一部売却して現金化することができます。

つまり、成長型ETFでは、

分配金+必要に応じた一部売却

によって生活費を作ることができます。

これは悪いことではありません。

むしろ、資産を取り崩しながら生活する一般的な方法の一つです。

しかし、私の退職金運用では事情が違う

私が退職後の資産運用で目指しているのは、

退職金元本をできるだけ維持しながら、分配金を生活費として使うこと

です。

そのため、

「資産を成長させて、必要なときに売却する」

という方法よりも、

「できるだけETFを売却せず、分配金を生活費に充てる」

という運用の方が自分の目的に合っています。

ここが、DIVOやQDVOを評価するうえで非常に重要なポイントになります。

DIVOの「インカムを抑えて成長を取る」戦略は私に必要なのか?

DIVOは、単純な高分配ETFではありません。

分配金をある程度確保しながら、株式の値上がり余地を残すことを狙っています。

これは長期の資産形成では非常に合理的な考え方です。

しかし、私の退職金運用では、

「最大限の資産成長」より「元本をできるだけ維持しながらインカムを最大化すること」

を重視しています。

そう考えると、

DIVOのためにインカムを減らしてまで成長性を取りに行く必要があるのか?

という疑問が生まれます。

さらにSPHYという選択肢がある

ここで私のポートフォリオに入っているSPHYが重要になってきます。

SPHYは米国のハイイールド債券ETFです。

株式ETFではありませんが、高いインカムを狙えるのが特徴です。

つまり私のポートフォリオでは、

QQQI・SPYI

→ 株式の成長+インカム

SPHY

→ 債券からの高いインカム

JPST

→ 超短期債による安定性・流動性

という役割分担ができます。

このため、

「インカムを減らしてDIVOの成長性を取り入れる」

という必要性が、以前より小さくなりました。

私の退職金運用ではQQQIとSPHYの組み合わせが重要

私の現在のポートフォリオは、

  • QQQI:30%
  • SPYI:30%
  • SPHY:30%
  • JPST:10%

です。

ここでQQQIとSPHYに注目すると、

QQQI

NASDAQ100をベースに、

株式の成長+高いインカム

を狙う。

SPHY

ハイイールド債券から、

高いインカム

を得る。

という違いがあります。

つまり、

株式の成長性をどこまで残し、債券の高いインカムをどこまで増やすか

を、QQQIとSPHYの比率によって調整することができます。

例えば将来的に、

QQQI 40%+SPHY 20%

とすれば成長性を重視。

反対に、

QQQI 20%+SPHY 40%

とすればインカムを重視する、といった調整ができます。

もちろんSPHYはハイイールド債なので、株式より安全という意味ではありません。

景気後退時には信用スプレッドが拡大し、SPHYのNAVも大きく下落する可能性があります。

したがって、QQQIからSPHYに移すことは「安全資産への移動」ではなく、株式リスクの一部を信用リスクへ移すことと考える必要があります。

それでもQDVOは気になる

ここまで考えると、DIVOについては、

現時点では私の退職金運用に明確な役割を見つけにくい

という結論になりました。

一方で、QDVOについては少し事情が違います。

QDVOの現在の分配水準は、DIVOよりかなり魅力的です。

それでいて、成長株を中心に投資し、カバードコールを戦術的に利用することで、インカムを確保しながら株価上昇余地を残すことを目指しています。

これは私にとって興味深い存在です。

QDVOをQQQIの代わりにする可能性

ただし、私は現時点でQDVOを買う予定はありません。

理由は単純です。

まだ実績が短いからです。

私が確認したいのは、

QDVOが本当にQQQIよりもNAVを成長させられるのか?

ということです。

例えば、

QQQI
分配金:14%

NAV成長:2%

なら、単純化するとトータルリターンは16%。

QDVO
分配金:10%

NAV成長:7%

なら、トータルリターンは17%。

この場合、QDVOには、

「分配金を4%減らしてでも、NAV成長を5%増やす」

意味があります。

しかし、

QDVO
分配金:10%

NAV成長:2%

だったら、

QQQIの方が私の目的には合っています。

私が現在のポートフォリオでQQQIを採用している理由や、JEPQとの違いについては、こちらの記事で詳しく比較しています。

現時点ではポートフォリオを変更しない

以上を検討した結果、現時点では退職金運用ポートフォリオを変更しません。

現在の、

  • QQQI:30%
  • SPYI:30%
  • SPHY:30%
  • JPST:10%

を維持します。

DIVOについては、インカムをある程度犠牲にしてまで成長性を取りに行く必要性が、現在の私の退職金運用ではそれほど高くないと判断しました。

一方、QDVOについては、現在の分配水準と成長株への投資という点から、非常に興味深いETFだと考えています。

QDVOは今後3~5年かけて検証したい

私が今後確認したいのは、

「QQQIより分配金が少ない代わりに、本当にNAV成長を大きくできるのか?」

という点です。

QDVOが数年間の運用を経て、

  • NAVを維持・成長させる
  • 1口当たり分配金も維持・増加させる
  • QQQIと競争できるトータルリターンを実現する
  • 下落相場でも一定の耐性を示す

という結果を見せるのであれば、将来的にQQQIの一部をQDVOに振り替えることを検討するかもしれません。

逆に、

分配金はQQQIより少ないのに、NAV成長も大きくない

のであれば、私にとってQDVOを選ぶ理由はありません。

まとめ

今回、DIVOとQDVOを調べて感じたのは、ETF選びでは「利回りが高いか」だけを見るべきではないということです。

DIVOやQDVOのようなETFは、インカムを得ながら株式の成長も狙います。

しかし、

インカムを増やす

ことと、

NAVを成長させる

ことには、ある程度のトレードオフがあります。

成長の果実を生活費として使うのであれば、NAVの上昇だけでは現金収入にならず、必要に応じて一部売却する必要があります。

私の退職金運用では、

「資産を最大限成長させること」より、「退職金という元本をできるだけ維持しながら、分配金を生活費として受け取ること」

を重視しています。

そのため、現時点ではDIVOを組み入れる必要性は低いと判断しました。

一方、QDVOはまだ運用実績が短いものの、「高いインカム」と「成長性」のバランスをどこまで両立できるのかという点で非常に興味深いETFです。

今後3~5年の実績を確認し、

QQQIとQDVOのNAV・分配金・トータルリターン

を比較していきたいと思います。

そして、もしQDVOが期待どおりの成長性を示すのであれば、将来的にQQQIの一部をQDVOへ振り替えることも検討します。

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