資産運用

退職金運用で債券ETFは必要か?JEPQとJEPIをバックテストして見えた弱点

2026年6月24日

はじめに

退職金運用を検討し始めた頃、私はカバードコールETFに強く惹かれていました。

理由は単純です。

  • 毎月分配
  • 高い分配金利回り
  • S&P500やNASDAQ100に投資できる
  • 株価下落時のクッション効果がある

特にJEPQやJEPIは、

「退職後の生活費を生み出す資産」

として非常に魅力的に見えました。

実際、当初の私の構想は、

JEPQ 50%
JEPI 50%

あるいは、

JEPQ 60%
JEPI 40%

のような、

カバードコールETF中心のシンプルなポートフォリオでした。

ところが、過去の相場を調べたり、自分なりにバックテストを行ったりする中で、

「本当にこれだけで大丈夫なのだろうか?」

という疑問が生まれました。

この記事では、

私が退職金運用の検討過程で発見した

『カバードコールETFだけでは見落としやすいリスク』

について解説します。

退職金運用と資産形成は目的が違う

まず最初に整理したいことがあります。

私はNISA口座で

楽天・S&P500

を積み立てています。

こちらの目的は資産形成です。

一方、退職金運用の目的は全く異なります。

私が退職金運用に求めているのは、

定年退職後から平均寿命まで約20年間の定期収入源

です。

つまり、

資産形成

ではなく

キャッシュフロー確保

です。

この違いが非常に重要でした。

定年後の自由を手に入れるために|50代サラリーマンの資産運用計画

40代の頃、私は定年後の自由を夢見て生きてきました。 ・いわゆるエッセンシャルワーカーで時間的、精神的拘束が多い ・パニック障害を患い乗物恐怖症となったが出張や全国異動が多い ・人生ラスト20年くらい ...

続きを見る

退職金運用のポートフォリオ|元本毀損しない範囲でキャッシュフローを最大化

Contents退職金運用を考えた理由退職金運用の目的退職金運用ポートフォリオに組み入れる銘柄選定カバードコールETF(JEPQ・JEPI)をコアに選定ハイイールド債(SPHY)をコアに追加米国短期債 ...

続きを見る

なぜJEPQ・JEPIに魅力を感じたのか

私が最初にJEPQとJEPIを選んだ理由は、

退職金運用の条件を満たしていたからです。

投資直後から高い分配金

退職後は給与収入がありません。

10年後に増配するETFより、

今月から分配金を出してくれるETFの方がありがたい。

毎月分配

生活費は毎月発生します。

そのため、

四半期分配より毎月分配の方が心理的にも管理しやすい。

株式ETFより下落耐性が高い

カバードコールETFは、

オプション収入がクッションになるため、

NASDAQ100やS&P500より値動きが穏やかになります。

高い分配利回り

JEPQやJEPIは、

一般的な高配当ETFよりも高い分配金が期待できます。

退職金運用の目的に非常に合っていました。

しかしバックテストで気になる点が見えた

調査を進める中で、

私は過去の暴落局面を重点的に調べました。

理由は簡単です。

退職後に怖いのは、

平和な相場ではなく、

暴落相場だからです。

暴落時に本当に耐えられるのか

例えば、

2008年のリーマンショック。

2020年のコロナショック。

2022年の利上げショック。

こうした局面では、

カバードコールETFも下落します。

もちろん、

NASDAQ100やS&P500ほどではありません。

しかし、

下落しないわけではないのです。

私が気になったのは「暴落そのもの」ではない

実は暴落そのものは、

ある程度覚悟しています。

私が本当に怖いと感じたのは、

その後の長期低迷です。

例えば、

定年退職直後に大きな下落が発生した場合、

資産額が回復するまで何年もかかる可能性があります。

さらに、

その期間も生活費は必要です。

つまり、

暴落

資産減少

生活費のため分配金を使用(資産の目減り)

回復に時間がかかる

という状況になり得ます。

カバードコールETFだけでは不安だった

そこで考えたのが、

ポートフォリオ全体の安定化です。

カバードコールETFだけで構成すると、

どうしても株式市場の影響を受けます。

NASDAQ100系とS&P500系に分散しても、

どちらも株式資産であることに変わりありません。

私は、

退職金運用には

株式とは異なる値動きをする資産

が必要ではないかと考えました。

そこで候補になったのが債券ETF

債券ETFを組み入れると、

ポートフォリオ全体の値動きを抑えられる可能性があります。

しかしここで問題が発生しました。

多くの債券ETFは、

分配利回りが低いのです。

例えば、

投資適格債ETFや総合債券ETFは、

安定性は高いものの、

退職金運用の目的である

「キャッシュフロー最大化」

という観点では物足りません。

債券を入れると利回りが下がる問題

例えば、

利回り10%のカバードコールETFだけで運用する場合と、

利回り4%の債券ETFを大量に組み入れる場合では、

当然ながらポートフォリオ全体の分配金は低下します。

私は、

安定性も欲しい。

しかし、

キャッシュフローも維持したい。

というジレンマに直面しました。

そこで注目したのがハイイールド債だった

調べていく中で、

私はハイイールド債ETFに注目するようになりました。

ハイイールド債とは、

格付けが低い企業の社債です。

一般的には

「投資不適格債」

とも呼ばれます。

名前だけ聞くと、

非常に危険な印象があります。

私も最初はそう思っていました。

投資不適格債は本当に危険なのか

ところが、

ETFとして見ると印象が変わりました。

なぜなら、

1社に投資するのではなく、

数百社へ分散投資しているからです。

例えば、

1社のハイイールド債なら、

倒産すると大きな損失になります。

しかしETFでは、

個別企業の影響が大幅に薄まります。

バックテストすると意外な結果だった

実際に過去の推移を確認すると、

ハイイールド債ETFは、

私が想像していたほど危険ではありませんでした。

もちろん株式より安全とは言いません。

しかし、

分配利回りの高さと値動きのバランスを見ると、

退職金運用の補完資産として十分検討に値すると感じました。

私が次に行ったこと

ここで私は、

債券ETFの比較を始めました。

候補になったのは、

  • HYG
  • JNK
  • USHY
  • SPHY

などです。

比較したポイントは、

  • 分配利回り
  • 経費率
  • 保有銘柄数
  • 純資産規模
  • 長期リターン

でした。

そして最終的に、

ある理由からSPHYに強く惹かれることになります。

まとめ

退職金運用を考え始めた当初、

私はJEPQやJEPIだけで十分だと思っていました。

しかし、

暴落局面や長期低迷リスクを調べる中で、

ポートフォリオ全体を安定化する資産の必要性を感じるようになりました。

その結果、

カバードコールETFに加えて債券ETFを検討するようになったのです。

そして数ある債券ETFを比較した結果、

私はハイイールド債ETFに注目することになりました。

次の記事では、

HYGやJNKではなく、

なぜ私がSPHYを選んだのかを詳しく解説します。

ハイイールド債ETFを徹底比較|私がHYGやJNKではなくSPHYを選んだ理由

Contentsはじめにハイイールド債とは何かなぜ利回りが高いのか私も最初は怖かったETFになると話が変わるハイイールド債は株式より安全なのか① 満期がある② 利息支払いが優先される③ 倒産時の弁済順 ...

続きを見る

-資産運用