私は現役時代の資産形成において、NISAでは楽天・S&P500インデックス・ファンドへの積立投資を続けています。
一方、iDeCoでは楽天・オールカントリー株式インデックス・ファンドを選んでいます。
そして、定年退職時に受け取る退職金については、特定口座でカバードコールETFなどに投資し、退職後の生活に必要なキャッシュフローを確保することを考えています。
一見すると、
- NISA → 米国株
- iDeCo → 全世界株
- 退職金 → 米国ETFなど
と、それぞれ投資先を分けているように見えます。
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しかし、改めて資産全体を考えてみると、ある疑問が生じました。
「NISAは本当にS&P500だけでいいのだろうか?」
オールカントリーにも米国株が大きな割合で含まれています。
つまり、NISAをS&P500、iDeCoをオールカントリーにしても、資産全体では米国株への集中度がかなり高くなります。
もちろん、私は米国株の長期的な成長力を高く評価しています。
だからこそ、S&P500をやめたいわけではありません。
むしろ、
S&P500をコアとして持ちながら、日本株を組み合わせることで、資産全体の分散効果を高められないか?
という視点から、改めて日本株の指数を調べてみることにしました。
そこで出会ったのが、2025年に登場した新しい株価指数、**「読売333」**です。
この記事では、S&P500を中心に資産形成をしている私が、日本株への分散投資を検討する中で読売333に注目した理由と、その可能性について考えてみます。
S&P500とオルカンでも、米国株への集中は残る
まず、現在の私の現役時代の積立投資を整理します。
NISA
NISAでは、楽天・S&P500インデックス・ファンドに積立投資しています。
S&P500は米国を代表する500社で構成される株価指数で、長期的な成長実績を考えると、非常に魅力的な投資対象だと考えています。
そのため、NISAの投資先をS&P500に集中させることについて、これまで大きな疑問はありませんでした。
iDeCo
一方、iDeCoでは楽天・オールカントリー株式インデックス・ファンドを選んでいます。
「S&P500だけでは米国に集中しすぎるので、iDeCoでは全世界株式にする」
という考え方です。
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しかし、ここで改めて考えてみました。
オールカントリーは「全世界株式」ですが、米国株を含んでいます。
そのため、
S&P500+オールカントリー
という組み合わせは、
米国株+米国以外
という単純な構成ではありません。
実際には、米国株をかなり厚く保有しながら、それ以外の国にも投資している状態です。
つまり、私が思っていたほど「米国株から分散できていないのではないか」という疑問が出てきました。
分散投資を考えるなら「地域」だけでなく「値動き」も重要
ここで、分散投資について改めて考えました。
分散投資というと、
- 米国
- 日本
- 欧州
- 新興国
のように、地域を分けることをイメージしがちです。
しかし、それだけでは十分ではありません。
重要なのは、異なる資産がどの程度異なる値動きをするのかということです。
そこで注目したのが「相関係数」です。
相関係数が高ければ、同じような値動きをする傾向があります。
反対に、相関係数が低ければ、異なる値動きをする可能性が高くなります。
もちろん、相関係数が低ければ必ず儲かるわけではありません。
しかし、長期の資産形成では、
「何を買うか」だけでなく、「今持っている資産と違う値動きをするものを持つ」
という視点も重要だと考えました。
そこで、S&P500やNASDAQ100と、日本株の代表的な指数との関係を調べてみました。
米国株の分散先として日本株を考える
S&P500やNASDAQ100の特徴を考えると、米国株には巨大企業の影響が非常に大きくなっています。
特にNASDAQ100は、Microsoft、Apple、NVIDIA、Amazon、Meta、Alphabetなど、世界を代表する大型ハイテク・グロース企業の影響を強く受けます。
S&P500も同様に、時価総額の大きな企業ほど指数への影響が大きくなります。
これは米国株の強さの大きな理由でもあります。
巨大企業が高い成長率で利益を伸ばせば、その企業の時価総額が増え、指数に占めるウェイトも大きくなる。
つまり、
「成長した企業を自動的に大きく保有する」
という仕組みです。
私はこれまで、この仕組みを非常に合理的だと考えてきました。
しかし、日本株を調べていくと、少し違った景色が見えてきました。
日本株には日経平均・TOPIX以外にもさまざまな指数がある
日本株の代表的な指数として、まず思い浮かぶのが日経平均株価とTOPIXです。
日経平均株価
日経平均は225銘柄で構成される株価指数で、株価平均型です。
そのため、株価の高い銘柄の影響を受けやすいという特徴があります。
特に近年は半導体関連などの値がさ株が大きなウェイトを占める場面もあり、日経平均は日本の大型グロース株の影響を受けやすい指数になっています。
TOPIX
TOPIXは東証プライム市場を中心とする日本株市場を幅広くカバーする代表的な指数です。
こちらは時価総額加重型です。
つまり、企業の時価総額が大きいほど指数への影響も大きくなります。
S&P500と同じように、巨大企業の成長を指数に反映しやすい仕組みです。
日本株では「高配当株」が強かった時期もある
日本株を調べていると、もう一つ気になる存在がありました。
それが高配当株です。
例えば日経高配当株50指数は、日経平均株価を構成する銘柄の中から、予想配当利回りの高い銘柄を中心に構成されています。
近年の日本株市場では、高配当株が非常に強かった時期があります。
これは、
- 金融
- 商社
- エネルギー
- 建設
- 不動産
- 通信
など、米国の大型ハイテク株とは異なる業種が日本株のリターンに貢献してきたこととも関係しています。
ただし、
「高配当株=ディフェンシブ株」ではありません。
銀行や商社、海運なども含まれるため、単純に「日本株はディフェンシブだから強かった」と説明するのは適切ではないでしょう。
むしろ、
米国の大型グロース株とは異なる業種・投資スタイルが日本株のリターンを生み出してきた
と考えたほうがよさそうです。
そこで知った「読売333」
日本株の指数を調べていく中で、私は「読売333」という指数を知りました。
読売333は、2025年3月24日に算出が開始された比較的新しい日本株指数です。
名前のとおり333銘柄で構成されます。
最大の特徴は、
333銘柄をほぼ均等に組み入れる「等ウェート型」
であることです。
つまり、時価総額の大きな企業だからといって、指数に占める割合が極端に大きくなるわけではありません。
これはS&P500やTOPIXとは大きく異なる特徴です。
読売333の「等ウェート」は何が違うのか
例えば、ある巨大企業の時価総額が他社の10倍になったとします。
時価総額加重型の指数なら、その企業のウェイトも大きくなります。
一方、等ウェート型なら、企業がどれだけ巨大になっても、定期的なリバランスによって基本的には均等なウェイトに戻されます。
その結果、
大型企業への集中を抑え、中小型企業の影響力を高める
ことになります。
ここが私にとって非常に興味深いポイントでした。
米国では「時価総額加重」が強かった
ここで、S&P500について考えてみます。
S&P500には「S&P 500 Equal Weight」という等ウェート版の指数があります。
同じS&P500採用銘柄を使いながら、
- S&P500 → 時価総額加重
- S&P500 Equal Weight → 等ウェート
と、加重方法を変えて比較できます。
これまでの米国株市場では、Apple、Microsoft、Amazon、NVIDIA、Alphabet、Metaなどの巨大企業が非常に高い成長を遂げました。
そのため、
「成長した巨大企業をさらに大きく保有する」
時価総額加重型のS&P500が非常に強い結果を残してきました。
私自身も、S&P500に投資している理由の一つはここにあります。
では、日本株でも時価総額加重が最適なのか?
ここで、私の中に疑問が生まれました。
「米国でS&P500の時価総額加重が強かったからといって、日本株でも同じことが言えるのだろうか?」
日本では、米国ほど一部の巨大テクノロジー企業が市場全体を牽引してきたわけではありません。
もちろん、日本にもトヨタ、ソニー、日立、三菱UFJなどの巨大企業があります。
しかし、日本株の成長は米国のように「数社の巨大グロース企業」に集中しているわけではありません。
金融、商社、製造業、建設、サービス、内需関連など、さまざまな企業が存在します。
そう考えると、
「巨大企業を時価総額に応じて大きく持つ」よりも、「幅広い企業を均等に持つ」ことが有効な局面が日本ではあるのではないか?
という仮説が出てきます。
読売333は、まさにこの仮説を考える上で興味深い指数でした。
読売333はディフェンシブだから強いのか?
ここは慎重に考える必要があります。
読売333の過去データを見ると、日経225とは異なる特性を持ち、特に小型株の影響を受けやすいことが指摘されています。
したがって、
「読売333=ディフェンシブ株指数」
と考えるのは正確ではありません。
むしろ、
- 大型グロースへの集中が小さい
- 中小型株を取り込みやすい
- 等ウェートによるリバランス効果がある
- 日経225とは異なる銘柄特性を持つ
といった点が重要だと考えています。
つまり、読売333が強くなる理由を考えるなら、
「ディフェンシブだから」だけではなく、「日本株全体に幅広く分散しているから」
という視点が必要だと思います。
S&P500との組み合わせで考えると面白い
私が読売333に興味を持った最大の理由はここです。
私が現在積み立てているS&P500と読売333を組み合わせれば、
米国大型株
と
日本の大型・中小型株
という、異なる投資対象を組み合わせることができます。
さらに、
S&P500はドル建て資産です。
一方、読売333は円建ての日本株です。
したがって、日本株を組み合わせることは、単に株式の地域分散になるだけでなく、為替リスクの分散にもつながります。
もちろん、日本企業も海外で事業を行っているため、完全に日本経済だけに連動するわけではありません。
それでも、資産全体を米国株だけに集中する場合とは異なるリスク要因を持つことになります。
「相関係数が低ければ必ず優れている」わけではない
ここも重要です。
S&P500との相関係数が低いからといって、その投資先が必ず優れているわけではありません。
例えば、
- リターンが低い
- 値動きが大きい
- 長期的な成長力が弱い
という可能性もあります。
したがって、私は日本株指数を検討する際に、
①トータルリターン
②リスク
③S&P500・NASDAQ100との相関
④為替リスク
⑤米国株との投資スタイルの違い
を総合的に見る必要があると考えました。
読売333には「実績が短い」という大きな問題がある
ここが、現時点で私が最も慎重になっているところです。
読売333は2025年3月に算出が開始されたばかりです。
つまり、実際の運用実績はまだ非常に短い。
過去の長期間のデータを使った指数のバックテストは存在しますが、
「読売333という指数が実際の市場で長期間運用された結果」
とは区別する必要があります。
ここは日経225やTOPIXとは決定的に違います。
日経225やTOPIXなら長い歴史があります。
一方、読売333はまだ生まれたばかりです。
そのため、
「読売333はTOPIXや日経225より優れている」
などと現時点で結論づけるのは早すぎます。
2026年からNISAでも読売333が注目され始めた
読売333が面白いと思ったもう一つの理由が、NISAとの関係です。
2026年度のNISAでは、つみたて投資枠の対象となる指数に**読売株価指数(読売333)**が追加されました。
これによって、読売333に連動する投資信託をNISAで積み立てる環境が整ってきています。
さらに2026年には、読売333に連動する複数のインデックスファンドが登場しています。
そして2026年9月には、りそなアセットマネジメントから「Smart-i 読売333インデックス」も運用開始予定です。
つまり、
新しい指数が誕生する
↓
NISAの対象指数になる
↓
連動する投資信託が増える
という流れが始まっています。
まだ一般的な知名度は日経平均やTOPIXには遠く及びませんが、今後の動向を注目したい指数です。
日本株への投資をNISAで優遇する議論もある
さらに調べてみると、NISAの一部を国内資産に限定する「国内投資枠」のような仕組みを設ける案も、政策論として議論されていました。
ただし、現時点で日本株専用のNISA枠が新設されたわけではありません。
政府側も、国内資産に限定するとNISAの基本理念である長期・積立・分散投資との整合性に課題があるとして、慎重な姿勢を示しています。
したがって、
「政府が日本株をNISAで優遇することが決まった」
と理解するのは正確ではありません。
一方で、2026年度から読売333などがつみたて投資枠の対象指数に加わったことを考えると、日本株への長期投資を選択する環境が少しずつ広がっていることは確かです。
私は今すぐNISAをS&P500から変更するつもりはない
ここまで調べると、読売333は非常に興味深い指数だと思います。
しかし、私は現時点で、
「NISAのS&P500をやめて、読売333に変更しよう」
とは考えていません。
S&P500には長期にわたる実績があります。
一方、読売333はまだ新しい指数です。
そのため、今の段階では、
「理論的には分散投資先として有効性が期待できる。しかし、実際の運用実績については、これから確認していく必要がある」
というのが私の結論です。
今後、読売333の実績を確認していきたい
私が今後注目したいのは、
- S&P500とのトータルリターンの差
- TOPIXとの比較
- 日経225との比較
- 日経高配当50との比較
- S&P500との相関係数
- NASDAQ100との相関係数
- 下落相場での値動き
- 為替変動を含めた日本の投資家から見たリターン
- 等ウェートによるリバランス効果
などです。
特に重要なのは、上昇相場だけでなく、下落相場でどう動くかです。
分散投資の価値は、すべての資産が上昇するときよりも、むしろ一部の資産が大きく下落したときに現れます。
その意味でも、読売333が今後どのような値動きをするのかを長期的に確認していきたいと思っています。
法人口座でのインデックス投資という選択肢もある
もう一つ考えているのが、マイクロ法人の法人口座を利用したインデックス投資です。
今後、法人に余裕資金が生まれ、インデックスファンドによる資産運用を行うことが合理的だと判断した場合には、その投資先の一つとして読売333を検討する可能性があります。
そうすれば、個人のNISAではS&P500を中心とした成長投資を続けながら、法人では日本株インデックスを組み入れるという方法も考えられます。
つまり、
個人資産
→ S&P500・オールカントリーを中心とした世界株式への投資
法人資産
→ 日本株インデックスを含めた分散投資
というように、資産全体で地域分散を考える方法です。
もちろん、法人での投資には税制や会計、資金繰りなど個人投資とは異なる論点があります。
そのため、実際に投資するかどうかは別途検討が必要です。
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まとめ|読売333は「これから実績を見たい指数」
今回、NISAをS&P500だけにしてよいのかという疑問から日本株を調べ始め、私は読売333という新しい指数にたどり着きました。
調べてみて分かったのは、読売333は単なる「新しい日本株指数」ではないということです。
333銘柄をほぼ均等に組み入れることで、
- 大型企業への集中を抑える
- 中小型株を幅広く取り込む
- 日経225やTOPIXとは異なる投資特性を持つ
- S&P500などの米国大型株とは異なる値動きが期待できる
- 円建て資産として為替リスクの分散にもつながる
という特徴があります。
一方で、読売333はまだ歴史の浅い指数です。
そのため、現時点で「S&P500より優れている」と判断するのは早いでしょう。
私自身は、
「分散投資の理論としては、読売333を組み合わせることに一定の有効性が期待できることを確認した。あとは、実際の運用実績がどうなるのかを見ていきたい」
と考えています。
そして、今後その有効性が実績として確認できれば、現役時代の積立投資に一定割合を組み入れることも考えています。
あるいは、将来的に法人口座でインデックス投資を行うことになれば、その一部に読売333を組み入れ、株式資産全体の米国集中リスクに備えるという選択肢もあります。
S&P500を否定する必要はありません。
むしろ、
S&P500の成長力を活かしながら、日本株をどのように組み合わせるか。
これが、私にとって今回の読売333を調べた本当の意味でした。
まだ始まったばかりの指数だからこそ、これからの運用実績を長期的に確認していきたいと思います。



