体験記

【認知行動療法】新幹線・飛行機トレーニングの継続

2026年5月11日

克服後に始まる、本当の課題

新幹線のぞみ、そして飛行機。

かつて「絶対に無理」と感じていた乗り物に、私は少しずつ乗れるようになってきました。

しかし、認知行動療法を続ける中で感じたのは、

「一度できた」ことと、「いつでもできる」ことは全く違う

という現実でした。

パニック障害は、一度クリアしたら永久解決するものではありません。

体調、疲労、仕事、人間関係、睡眠不足――。

様々な条件が重なると、不安は再び顔を出します。

だからこそ必要なのは、

成功体験を“定着”させること

でした。

定着の大敵は「間隔が空くこと」

在来線でトレーニングしていた頃は、比較的頻繁に練習できました。

しかし、新幹線や飛行機となると話は別です。

・費用がかかる
・まとまった時間が必要
・乗る機会自体が限られる

現実的には、

・GW
・夏休み
・年末年始の帰省
・出張

くらいしか機会がありません。

つまり、成功体験と成功体験の間が空いてしまうのです。

すると、その間に脳はまた不安を思い出そうとします。

「前回はたまたまだったのではないか」
「今回はまたダメなのではないか」

そんな思考が、少しずつ忍び寄ってくるのです。

今回のテーマ

そこで今回は、

“普通に乗る”

ことをテーマにしました。

以前の私は、

・大量の準備
・緊張しながらの乗車
・「何とか耐える」感覚

で移動していました。

しかし本来、移動とは日常の一部です。

できる限り、「特別なイベント」にしない。

それが今回のテーマでした。

新幹線のぞみ(帰省往路)

東京駅に着いた時点では比較的落ち着いていましたが、ホームへ近づくにつれ、予期不安が強まってきます。

そして、新横浜直前。

以前と同じように、不安が急激に高まりました。

ただ、以前と違ったのは、

「不安が来ること自体に驚かなくなった」

ことでした。

以前は、

「不安が来た=危険」
「不安が来た=失敗する」

と感じていました。

しかし今は、

「また来たな」
「いつもの波だな」

と思える瞬間が増えていたのです。

自分への言い聞かせ

この時、自分に繰り返していたのは、

・ここで降りたら後悔する
・今まで何度も乗れている
・いざとなれば何とかなる

という言葉でした。

特に大きかったのは、

「新横浜を出れば落ち着く」

という成功体験の蓄積です。

これは過去の経験から、体が覚え始めていたのでしょう。

実際、新横浜到着時には少し落ち着き、発車後はかなり平穏になりました。

不安の「ピーク」が短くなった

以前は、不安が長時間続いていました。

しかし今回は、

「強くなる → 少し耐える → 急速に落ち着く」

という流れでした。

不安そのものが消えたわけではありません。

ですが、

「不安の波が去る」という感覚

を体が覚え始めていたのです。

飛行機(帰省復路)

復路は飛行機です。

以前より変わったのは、抗不安薬に関する考え方です。

昔は、

「薬を飲まなければ耐えられない」

という感覚が強かったのですが、

今回は、

「必要なら服用できるよう準備している」

この安心感だけで乗れるようになりました。

結果

結果として、飛行機は終始スムーズでした。

搭乗前も大きな混乱はなく、機内でも落ち着いて過ごせました。

むしろ、

「もう少し間隔を空けずに乗った方がいいかもしれない」

と思えるくらいでした。

この段階で見えてきたこと

認知行動療法を続けていて感じるのは、

克服とは、

「不安ゼロ」になることではない

ということです。

不安は来ます。

しかし、

・不安が来ても行動できる
・不安が去ることを知っている
・回避しなくても大丈夫と思える

ここまで来ると、生活への影響は大きく変わります。

まとめ

この頃の私は、

「乗れるかどうか」

ではなく、

「どうすれば安定して乗り続けられるか」

を考える段階へ進んでいました。

認知行動療法は、
恐怖との戦いというより、

“普通の日常”を取り戻していく作業なのだと思います。

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