体験記

パニック障害を発症した日のこと(すべてはここから始まった)

あの日のことは、今でもはっきり覚えています。

それまで当たり前だった日常が、

一瞬で崩れました。

後から振り返ると、

あれがすべての始まりでした。

当時の私は“普通”でした

当時の私は、飛行機が好きでした。

移動時間は無駄だと思っていたので、

多少高くても飛行機を選ぶタイプでした。

大学院生になるまでに、

100回以上は乗っていたと思います。

飛行機での不安といえば、

寝過ごして、コンソメスープを飲み損なうことくらい。

それくらい、何の問題もありませんでした。

最初の違和感(2002年)

初めての国際線で、エジンバラへ向かったときのことです。

香港で乗り継ぎ、ロンドンまで約13時間。

窓側の席に座ったとき、

ふと、天井の低さが気になりました。

「この狭い空間に、13時間か…」

それまでなら気にも留めなかったことが、

なぜか妙に引っかかりました。

そして突然、

落ち着かない感覚に襲われました。

「降りたい」

理由は分かりません。

ただ、強烈にそう思ったのです。

頭の中で起きていたこと

「今なら降りられるかもしれない」

「でも、そんなこと言えるか?」

そんなやり取りが頭の中で繰り返されました。

極端なことまで考えました。

“恥ずかしい思いをするくらいなら、いっそのこと…”

今思えば異常ですが、

その時はそれが現実でした。

離陸と同時に消えた不安

結局、飛行機はそのまま離陸しました。

「もう降りられない」

そう思った瞬間、

不思議と不安は消えました。

その後は普通に食事をして、眠りました。

ただ、夢の中では何度も

「途中で降りられる」場面を繰り返していました。

本当の発症(2003年)

それからしばらくして、

決定的な出来事が起きます。

友人の結婚式の帰り、飛行機に乗ったときでした。

席に座った瞬間、

突然、強い不安に襲われました。

理由は分かりません。

ただ、逃げ場がないという感覚だけがありました。

気がつくと私は、

CAさんにこう言っていました。

「今すぐ降ろしてください」

飛行機から降りた日

荷物を取り出し、

そのまま機内を出ました。

多くの人に迷惑をかけました。

恥ずかしさと申し訳なさで、

その場から消えてしまいたい気持ちでした。

それでも、

帰らなければなりませんでした。

なんとか新幹線で帰路につきましたが、

今度は、

「駅と駅の間が長い」

そんなことにすら、不安を感じるようになっていました。

振り返って思うこと

今振り返ると、

あの時すでに何かが崩れ始めていたのだと思います。

ただ、その時の自分には、

それを理解する余裕はありませんでした。

この出来事をきっかけに、

日常は少しずつ変わっていきました。

それまで普通にできていたことが、

できなくなっていきます。

次の記事では、

通勤や日常生活にどのような影響が出てきたのか、

書いていこうと思います。

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