資産運用

JPSTかTLTか?退職金運用で私が超短期債ETFを選んだ理由

はじめに

前回の記事では、

数あるハイイールド債ETFの中から、

私がSPHYを選んだ理由を書きました。

JEPQやJEPIなどのカバードコールETFだけでは、

退職後20年以上にわたる運用を考えた場合、

不安が残ると感じたからです。

そこで、

  • JEPQ
  • JEPI
  • SPHY

という組み合わせを検討しました。

しかし、

さらにバックテストを続ける中で、

もう一つの問題に気付くことになります。

それが、

「危機の種類によっては株式とハイイールド債が同時に下落する」

という問題でした。

退職金運用で本当に怖いこと

退職後の運用では、

現役世代とは考え方が変わります。

私は59歳で定年退職し、

その後は再就職せずに生活したいと考えています。

つまり、

退職金は

老後20年以上の生活費を支える資産

です。

そのため、

私にとって最も避けたいのは、

暴落

資産大幅減少

生活費確保のため売却

資産が回復しない

という状態です。

いわゆる

「シーケンス・リスク」

です。

退職直後の暴落は、

現役世代の暴落よりもはるかに危険です。

JEPQ・JEPI・SPHYで十分ではなかった

私は、

カバードコールETFとハイイールド債ETFを組み合わせれば、

かなり安定したポートフォリオになると考えていました。

しかし、

過去の危機を調べてみると、

そう単純ではありませんでした。

2022年利上げショック

FRBの急速な利上げにより、

株式市場は下落(S&P500で約19%)、

さらにハイイールド債も下落(USハイイールドインデックスで約15%)しました。

利上げにより債券価格が下がりましたが、債券利回りは上昇したため、

このような利上げ局面では、ハイイールド債は株式を助ける結果となりました。

コロナショック

2020年のコロナショックでは、

株式が暴落(S&P500で約34%)し、

ハイイールド債も下落(USハイイールドインデックスで約16%)しましたが、

株式と比較するとハイイールド債の下落は限定的でした。

リーマンショック

2008年のリーマンショックでは、

株式市場が大暴落(S&P500で約55%)しました。

ハイイールド債も暴落(USハイイールドインデックスで約26%)しました。

株式とハイイールド債が同時に暴落したのです。

原因は、デフォルト(債務不履行)の急増でした。

リーマン・ショックでは、米国のハイイールド債市場のデフォルト率が10%台まで急上昇しました。

約10社に1社の割合で会社が倒産したり利払いが滞ったりしたため、

本来得られるはずだった利息収入が完全に途絶えました。

ハイイールド債ETFは、組み入れ企業のデフォルトや、

ファンド内での資産の目減り(元本の減少)に伴い、

毎月の分配金(インカムゲイン)が大幅に減額されました。

SPHYにも弱点があった

私はSPHYを高く評価しています。

今でも退職金ポートフォリオのコア候補です。

しかし、

SPHYはハイイールド債です。

本質的には

企業の信用リスク

を持っています。

景気悪化局面では、

株式と同じ方向に動くことがあります。

つまり、

完全な防御資産ではありません。

そこで検討したのがTLT

次に私が注目したのが、

TLTでした。

TLTは米国長期国債ETFです。

景気後退局面では、

株式と逆方向に動くことがあります。

そのため、

多くの投資家が

「暴落対策」

として利用しています。

リーマンショック時、TLTは25%近い上昇を記録しました。

株式市場が歴史的な大暴落に見舞われる中、

安全資産への逃避や景気悪化に伴うFRBの利下げを受けて

長期金利が低下したことで米国長期国債価格が大きく上昇し、

株価暴落とは逆相関の値動きを示しました。

TLTの魅力

TLTには明確な魅力があります。

暴落時に大きく上昇する可能性

前述のとおり、

リーマンショックでは、

長期国債は大きく買われました。

リバランス資金になる

株式暴落時に、

TLTを売却して株式を買うことができます。

株式との逆相関

退職金ポートフォリオのコアである株式と逆の値動きをすることは、

退職金の元本毀損リスクを回避するため、非常に魅力的です。

しかし2022年の利上げショックが問題だった

私がTLT採用を見送った最大の理由は、

2022年の成績です。

金利上昇局面では、

長期債は大きく下落します。

しかも、2022年の利上げショックでは、

株式と同時に下落しました。

つまり、

期待していた

「守りの資産」

にならなかったのです。

EDVも検討した

さらに私は、

超長期国債ETFであるEDVも調べました。

EDVはTLTよりも値動きが大きく、

暴落時には非常に強力な効果が期待できます。

しかし、

その反面、

金利上昇局面では凄まじい下落になります。

退職金運用としては、

少々刺激が強すぎると感じました。

最終的にJPSTへたどり着いた

そこで私が注目したのがJPSTです。

JPSTは超短期債ETFです。

価格変動が極めて小さい

株式暴落時でも、

価格はほとんど動きません。

利上げに強い

2022年のような環境でも、

比較的安定していました。

分配金がある

現金よりも効率的です。

いつでも使える待機資金

これが最大のメリットでした。

JPSTは「インカムが期待できる待機資金」

私はJPSTを

投資対象というより、

待機資金

として見ています。

イメージとしては、

前線部隊「QQQI」「SPYI」「SPHY」

予備部隊「JPST」

です。

私が考えるリバランス戦略

例えば、

ポートフォリオを

銘柄比率
QQQI30%
SPYI30%
SPHY30%
JPST10%

とします。

暴落発生

例えば、

QQQIやSPYIが20〜30%下落したとします。

JPSTを売却

価格変動が小さいJPSTを売却します。

割安になった資産を購入

QQQI

SPYI

SPHY

へ再配分します。

回復局面を待つ

これにより、

暴落をチャンスに変えることができます。

QII制度も魅力だった

JPSTを調べる中で、

もう一つ魅力を感じた点がありました。

それがQIIです。

QII(Qualified Interest Income)部分は、

米国源泉税が免除される場合があります。

その結果、

税引後の手取り向上につながります。

これはSPHYにも共通するメリットでした。

なぜ私はTLTではなくJPSTを選んだのか

最終的な結論はシンプルです。

私は、

大きなリターンよりも、

安心して眠れるポートフォリオを求めていました。

リーマンショックのような局面では、

TLTは魅力的です。

EDVはさらに魅力的です。

しかし、

退職金運用で最も重要なのは、

生涯にわたり資産を維持しながら生活費を確保することです。

その目的に照らすと、

JPSTの方が私には合っていると感じました。

まとめ

退職金運用を考える中で、

私は

  • カバードコールETF
  • ハイイールド債ETF

だけでは不十分だと考えるようになりました。

そこで、

最後の守りとしてJPSTを組み込むことにしました。

JPSTは高リターンを狙うETFではありません。

しかし、

暴落時のリバランス資金として、

そして待機資金として、

退職金ポートフォリオ全体を支える重要な役割を果たします。

こうして私は、

QQQI・SPYI・SPHY・JPST

という構成へ近づいていくことになります。

次の記事では、

ROCとQIIという税制面から、

なぜ私はJEPQ・JEPIではなくQQQI・SPYIへ興味を持つようになったのかを解説します。

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