体験記

病院に行ったのに、救われなかった日|大学病院で感じた違和感

日常生活の中でも、
不安が起きるようになっていました。

場所や状況に関係なく、
突然やってくる感覚。

そして、
その前兆を常に警戒している状態。

気がつけば、
「不安がない時間」の方が少なくなっていました。

受診を決めた理由

これ以上は無理だと思い、
改めて病院を受診することにしました。

きっかけは、妻の一言でした。

「一度、ちゃんと診てもらった方がいいんじゃない?」

その通りだと思いました。

このまま自己流で何とかしようとしても、
限界があると感じていたからです。

待合室で感じたこと

大学病院の精神科。

待合室に入った瞬間、
少し空気が変わるのを感じました。

照明はやや暗く、
静かで、重たい雰囲気。

もちろん、
精神科なので当然なのですが、

それでも、
想像していたものとは違っていました。

その日は、
比較的調子が良かったはずでした。

「これで少し楽になるかもしれない」

そんな期待もありました。

でも、
その空間にいるうちに、
少しずつ気持ちが沈んでいくのを感じました。

診察室での戸惑い

名前を呼ばれ、
診察室に入りました。

そこで、
少し戸惑いました。

部屋の中に、
医師以外の人が何人もいたのです。

白衣を着た人が、7〜8人。

一瞬、何が起きているのか分かりませんでした。

医師から説明がありました。

研修の一環で、
見学しているとのこと。

もし難しければ、
退出させることもできる。

そう言われました。

頭では、
「断っても問題ない」と理解していました。

でも実際には、
そう簡単には言えませんでした。

初めての受診。

こちらは助けを求める立場。

ここで断って、
対応が変わってしまうのではないか。

そんな考えがよぎりました。

話せなかったこと

本来であれば、
伝えたいことはたくさんありました。

飛行機のこと。
電車のこと。
日常生活で起きている不安。

でも、
その場の状況では、
うまく話すことができませんでした。

結果的に、
かなり表面的な説明になってしまいました。

「大変なことが起きている」という感覚と、
「それをうまく伝えられない」というもどかしさ。

その両方がありました。

診察の進み方

話を聞いた医師は、
研修の方々に向けて説明を始めました。

こういうケースでは、
こう考える。

こういう対応をする。

そういった内容でした。

その光景を見ながら、
少し距離を感じていました。

自分の話が、
「事例」になっているような感覚でした。

処方された薬

診察の最後に、
薬の説明がありました。

パキシルとソラナックス。

服用方法や効果については、
丁寧に説明していただきました。

その点については、
安心感がありました。

残った疑問

ただ、
一つ引っかかることがありました。

「この処方は、何を根拠に決まったのか」

自分が伝えられた情報は、
決して十分ではなかったと思います。

それでも、
治療は進んでいきます。

それが一般的な流れなのか、
それとも自分の理解が足りないのか。

よく分からないままでした。

通院が負担になる

気がつくと、
受診そのものが負担になっていました。

行く前に緊張し、
終わった後に疲れる。

これでは本末転倒だと思いました。

最終的に、
妻に代理で受診してもらい、
処方だけを受ける形に落ち着きました。

当時の自分にとっては、
それが精一杯の選択でした。

薬の効果

パキシルを飲み始めて、
2週間ほど経った頃から、

日常生活の気分は、
少しずつ落ち着いてきました。

この変化は、
はっきりと感じました。

それでも残ったもの

ただ、
根本的な問題は残っていました。

乗り物に乗れないこと。

行動範囲が制限されること。

出張に行けない等、
仕事にも影響が出始めていました。

振り返って思うこと

今思えば、
この時の経験は、
「合わなかった」という一言で片付けられるのかもしれません。

ただ当時は、
何が正しいのか分かりませんでした。

助けを求めて行った場所でも、
必ずしも自分に合うとは限らない。

そのことを、
初めて実感した出来事でした。

それでも、
何とか生活は続きます。

しかし、
電車に乗れない症状が長期化したことで、
人生の転機が訪れます。

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