2024年1月26日から、楽天オルカンと楽天S&P500がiDeCo対象商品に追加されました。
楽天証券とSBI証券の2大ネット証券が、iDeCo口座数でしのぎを削っています。
SBI証券iDeCoは、人気のeMAXIS Slimシリーズを揃えており、ライバルの楽天証券iDeCoに差をつけていました。
もちろん、楽天証券iDeCoに優秀なインデックスファンドが無かったわけではありません。
しかしそれは、楽天VTや楽天VTIといった、米国ETFを投資先とする構造のファンド(ファンド・オブ・ファンズ方式)であったため、少なくとも「指数会社」「米国ETF会社」「楽天」と3つでコストが発生することから、信託報酬がeMAXIS Slimシリーズに比べて割高となっていました。
しかし、今回追加される楽天オルカンと楽天S&P500は、eMAXIS Slimシリーズと同じ構造(ファミリーファンド方式)であり、米国ETF会社を介さないことから長期運用に適した低い信託報酬となっています。
これにより、楽天証券iDeCoとSBI証券iDeCoの差(S&P500の有無や信託報酬)は解消されたことになります。
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スイッチング先を楽天オルカンと楽天S&P500のどちらにするか比較検討
現在保有している楽天VTIは信託報酬が高いので、今回スイッチングすることに迷いは無かったのですが、スイッチング先を楽天オルカンと楽天S&P500のどちらにするかについては迷いました。
結論として、以下の3つの視点から比較検討して、楽天オルカンへスイッチングすることに決めました。
信託報酬のお得感
既存の米国株式である楽天VTIと全世界株式である楽天VTを、それぞれ対応する新規追加ファンドを信託報酬の差で比較すると次の表のようになります。
| ファンド名(信託報酬) | ||
| 米国株式 | 楽天VTI(0.1617%) | 楽天S&P500(0.077%) |
| 全世界株式 | 楽天VT(0.1914%) | 楽天オルカン(0.0561%) |
どちらも信託報酬が低くなっていますが、全世界株式の差の方が大きいことが分かります。
さらに、新NISAと違ってiDeCoには投信残高ポイントプログラムが適用されません。
投信残高ポイントプログラムは、楽天オルカンより楽天S&P500の方に大きく寄与しますので、新NISAでは実質的な信託報酬の差が以下のように縮小されます。
| 信託報酬 | 投信残高ポイントを加味した信託報酬 | |
| 楽天S&P500 | 0.077% | 0.049% |
| 楽天オルカン | 0.0561% | 0.0391% |
しかし、iDeCoでは0.077%と0.0561%のままなので、元々の信託報酬が安い楽天オルカンが有利に感じられます。
以上のように、VTIやVTとの比較、投信残高ポイントプログラム無し状態での信託報酬の比較から、楽天オルカンの方にお得感がありました。
新NISA投資商品との分散
私は新NISAつみたて投信枠で、楽天S&P500に積立投資しています。
その前身であるつみたてNISAでも、eMAXIS Slim S&P500に積立投資を完了して維持運用段階にあります。
気分の問題かもしれませんが、ここでiDeCoでもS&P500を選択すると、米国一国リスクのような事態が起きた時や、米国以外の国のシェアが想定以上に大きくなった時に後悔しそうでいやだなと思ったのです。
実際、20世紀後半は米国より日本のシェアが大きかったですし、20世紀前半は欧州ですからね。
長期・分散・低コストという3要件のうち、分散の観点では、47か国・36通貨・2900銘柄を投資対象としているオルカンが優れていると思いました。
iDeCoの出口戦略
iDeCoの受給方法には、一括(一時金)と年金の2方式があります。
それぞれ税金が異なるため、何歳からどちらの方法、あるいは両方を組み合わせて受給するかによって、折角の評価益を生かすも殺すも出口戦略次第となります。
このように、同じ長期投資とは言え、特に制限の無い新NISAとは異なり、iDeCoには受給年齢や受給方法といった出口戦略に一定の制限を受けるのです。
受給時期に制約があることのデメリットは、その時期に投資対象ファンドの調子が悪いと、安値で売却を強いられてしまうという事です。
オルカンもS&P500も、長期的に見て右肩上がりということから、投資対象ファンドとして人気があります。
しかし年単位で見ていくと、米国、その他先進国、新興国といった地域が入れ替わりで株価上昇率首位を争っています。
米国と言えども、複数年にわたって首位であり続けることは無かったのです。
しかしオルカンは、その分散効果によって、毎年1位にはならないがビリにもなりません。
この安定性が、iDeCoの年金受取には有利と判断しました。
以上の理由(信託報酬、新NISAとのファンド分散、出口戦略)から、楽天VTIのスイッチング先を楽天オルカンに決めたのです。
楽天VTIから楽天オルカンへスイッチング手続き
2024年1月27日に楽天証券iDeCoのラインナップを確認すると、楽天S&P500と楽天オルカンが、それぞれ外国株式と国内外株式(オルカンは日本も含むため)に追加されていました。
まだ運用実績が少ないため、過去のリターンが「ー」で表記されています。
スイッチングの操作は、下図の「掛金の配分状況を変更する」(あるいは「保有商品を入れ替える」)のボタンをクリックして簡単にできます。
この図はスイッチング完了後のため、下段に現在の保有資産「外国株式」(楽天VTI)、上段にスイッチング先の「国内外株式」(楽天オルカン)が記載されています。
約定までの期間は、スイッチング先の銘柄によっても異なりますが、私の場合は1月27日に申し込んで、1月30日に約定されることになりました。
iDeCo運用成績(2024年1月)
iDeCo開始から3年0ヶ月が経過した2024年1月時点の運用成績は以下のとおりです。
【運用商品】楽天全米株式バンガード(楽天VTI)
【評価損益】148,182円
【運用利回り】18.22%
2023年後半から米国長期金利の下落基調が続き、米国株は力強い上昇が持続しています。
昨年12月、FOMCで3会合連続の利上げ停止が決定されるとともに、2024年には3回の利下げが行われる観測が強まったことも追い風です。
為替については、日銀がマイナス金利政策を継続したことから、ふたたび円安ドル高に回帰しました。
このため、iDeCoの運用利回りは15.35%(12月)から18.22%(1月)と上昇しました。
2024年1月末には運用商品を楽天VTIから楽天オルカンにスイッチングしますが、このまま世界経済の右肩上がりが続いて欲しいと思います。



