2026年12月から、iDeCoの拠出限度額が引き上げられる予定です。
これまでiDeCoの掛金を増やしたくても上限があった人にとっては、資産形成を見直す大きな機会になります。
これをきっかけに、
「これからiDeCoを始めたい」
「今までより掛金を増やしたい」
と考える人も多いのではないでしょうか。
しかし、iDeCoで掛金を増やすときに、もう一つ考えておきたいことがあります。
それが、
「何に投資するのか」
という問題です。
iDeCoでは、自分で運用商品を選択する必要があります。
私自身も、最初から現在の商品を選んでいたわけではありません。
iDeCoを始めた当初は複数の商品に分散し、その後は米国株式に集中投資し、現在は楽天・オールカントリー株式インデックス・ファンドを選択しています。
2026年8月現在のiDeCoの運用状況は、
- 評価額:1,658,023円
- 評価損益:+750,690円
- 運用利回り:22.89%
となっています。
もちろん、この運用利回りが将来も続くわけではありません。
私がiDeCoを運用してきた中で感じているのは、単純に「過去のリターンが高かった商品」を選べばいいわけではないということです。
むしろ重要なのは、
「自分が長期間保有できるか」
そして、
「最後に資産を取り崩すところまで考えて商品を選んでいるか」
だと考えています。
この記事では、2026年12月のiDeCo改正を前に、私自身の運用経験を振り返りながら、iDeCoの商品選びについて考えてみます。
※この記事は私自身の投資経験と考え方を紹介するものであり、特定の金融商品の購入を推奨するものではありません。
2026年12月からiDeCoの拠出限度額が引き上げられる
まず、今回の記事のきっかけとなった制度改正について確認しておきます。
2026年12月1日から、第2号被保険者のiDeCoについて、企業年金等との共通拠出限度額が月額6.2万円に引き上げられる予定です。
これによって、現在よりも多くの掛金を拠出できる人が増えることが期待されます。
ただし、誰でも一律に月6.2万円をiDeCoへ拠出できるわけではありません。
企業型DCや確定給付企業年金など、勤務先の企業年金制度への加入状況によって、実際にiDeCoへ拠出できる金額は変わります。
そのため、まずは自分の拠出限度額を確認することが大切です。
制度の詳細については、厚生労働省の資料で確認することをおすすめします。
掛金を増やすなら「何を買うか」も考えたい
iDeCoの上限が引き上げられると、
「今まで2万円だった掛金を4万円に増やそう」
「せっかくなら上限まで拠出しよう」
と考える人もいるでしょう。
掛金を増やすことは、長期的な老後資産形成において大きな意味があります。
しかし、毎月の掛金が増えるということは、それだけ投資先の選択も重要になるということです。
例えば毎月5万円を拠出すれば、年間60万円。
10年間なら元本だけで600万円になります。
さらに20年、30年と運用するのであれば、投資先の違いは決して小さくありません。
だからこそ、
「いくら積み立てるか」だけではなく、「何を積み立てるか」も考える必要があります。
私も最初からオルカンを選んでいたわけではない
私自身、iDeCoを始めた頃からオールカントリーを選んでいたわけではありません。
むしろ、現在とはかなり違う商品構成でした。
iDeCoを始めた当初は、
- 米国株式
- 国内株式
- 先進国債券
- J-REIT
など、複数の商品を組み合わせていました。
当時は、
「いろいろな資産に分散すればリスクを抑えられる」
という考え方が強かったからです。
これは決して間違った考え方ではありません。
ただ、実際に運用を続ける中で、
「自分は本当にこの資産配分を維持したいのか?」
と考えるようになりました。
そこで、投資対象やリスク、コストについて改めて勉強するようになりました。
私のiDeCoの運用状況については、これまで定期的に記事にしてきました。
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iDeCoの運用成績を公開(2020年12月~2023年8月)
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iDeCo運用成績(2024年1月)|楽天VTIから楽天オルカンへスイッチング
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iDeCoを3年9ヶ月運用した2024年9月の成績を公開。楽天オルカンの運用利回りや、加入年齢・掛金上限の改正、所得控除による節税効果を解説し、NISAと組み合わせた資産形成について考えます。
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こうして振り返ると、私のiDeCoの商品選びは、投資経験とともに変化してきたことが分かります。
一時期は楽天VTIに集中した
運用を続ける中で、私は米国株式の成長力に魅力を感じるようになりました。
そこで、一時期は楽天・全米株式インデックス・ファンド(楽天VTI)へ集中しました。
米国の株式市場全体に幅広く投資できる商品です。
当時の私は、
「今後も米国企業は成長を続けるのではないか」
と考えていました。
実際、米国株式は長期的に大きな成長を遂げてきました。
しかし、投資について考える時間が増えるにつれて、別の問題も気になるようになりました。
私がiDeCoを始めた数年間だけでも、世の中は様々なニュースがあり、
「今後も米国が世界の株式市場をリードするとは限らないのではないか」
と思い始めたのです。
もちろん、米国が今後も成長する可能性は十分あります。
しかし、現在のような米国の絶対的優位が揺らぐ可能性も否定できません。
そこで私は、特定の国に集中するよりも、世界全体へ分散する方向へ考え方を変えていきました。
現在は楽天・オールカントリーを選択
現在、私のiDeCoで運用している商品は、
楽天・オールカントリー株式インデックス・ファンド
です。
オールカントリーは、世界の株式市場へ幅広く投資することができます。
米国株も含まれていますから、米国の成長を完全に捨てるわけではありません。
一方で、日本や欧州、新興国などにも分散されます。
私が魅力を感じているのは、
「世界各国の栄枯盛衰を自分で予測しなくてもいい」
という点です。
米国が今後も成長すれば、その恩恵を受けることができます。
仮に将来、米国以外の国の成長が相対的に大きくなったとしても、その国の株式が指数に組み入れられていれば、その成長を取り込むことができます。
もちろん、オールカントリーも株式100%のリスク資産です。
世界的な株価暴落が起きれば、大きく下落します。
「オルカンだから安全」ということではありません。
それでも私は、
「将来の事は分からないし、世界全体に投資しておこう」
という考え方が自分には合っていると判断しました。
iDeCoでは「出口戦略」を重視する理由
私は現在、
iDeCoでは楽天・オールカントリー
NISAでは楽天S&P500
を選んでいます。
どちらも株式に投資する商品です。
では、なぜ同じ商品にしないのでしょうか。
理由の一つが、
iDeCoとNISAでは、資産を取り崩すときの自由度が違う
と考えているからです。
iDeCoは「いつ使うか」を自由に決めにくい
NISAは、必要になれば自分の判断で資産を売却して現金化できます。
もちろん、老後資金として長期運用するのであれば計画的な取り崩しが必要ですが、
「今年は株価が低いから売却を見送ろう」
「もう少し働くから取り崩しを数年後に延ばそう」
といった柔軟な判断ができます。
一方、iDeCoは制度上の受給開始年齢があり、NISAほど自由に売却時期を選べるわけではありません。
実際には、退職金の受け取り時期や公的年金、生活費などとの関係から、
「何歳ごろからiDeCoを受け取る」
とライフプランをあらかじめ決める人も多いでしょう。
そうなると、iDeCoでは、
「その年齢になったとき、株式市場がどうなっているか」
という問題が出てきます。
受給直前に債券へスイッチングする方法もある
一つの方法として、
「受給開始が近づいたら、株式ファンドから債券ファンドなどへスイッチングすればいい」
という考え方があります。
これは一見すると合理的です。
例えば、60歳から取り崩す予定なら、
「57歳くらいから徐々に株式の割合を下げていく」
という方法です。
株価が高い時期に利益を確定し、安全資産へ移しておけば、受給開始直後の株価暴落による影響を抑えられます。
しかし、私はここに一つ難しさがあると思っています。
それは、
「いつスイッチングするのか」
という問題です。
株式市場が今後も上昇するかもしれないのに、早めに債券へ移すのか。
逆に、株価が大きく上昇した後で、
「まだ上がるかもしれない」
と判断して株式を持ち続けるのか。
結局のところ、
相場のタイミングを読む必要があります。
私は、この判断をできるだけ減らしたいと考えました。
だから私はiDeCoでオルカンを選んでいる
そこで私が考えたのが、
「最初から特定の国に集中しない」
という方法です。
私はiDeCoでは、株式というリスク資産を持ち続けながらも、世界全体に分散されたオールカントリーを選択しています。
もちろん、これで株価暴落を避けられるわけではありません。
オールカントリーも株式なので、世界的な金融危機が起きれば大きく下落します。
それでも、
「米国株だけ」
「日本株だけ」
「新興国株だけ」
といった特定地域への集中を避けることで、
「受給開始時に、どの国の株式市場が低迷しているか分からない」
というリスクを分散できます。
私にとってオルカンは、
「リスクをなくす商品」ではなく、「特定の国に賭けるリスクを減らす商品」
という位置付けです。
そして、それがiDeCoの出口戦略とも相性がいいと考えています。
なぜNISAでは楽天S&P500なのか
では、なぜNISAではオルカンではなく楽天S&P500なのでしょうか。
これはNISAの「出口の自由度」を考えているからです。
NISAは、iDeCoと違って資金の引き出し時期を制度上の受給開始年齢に合わせる必要がありません。
そのため、
「今は株価が大きく下落しているから取り崩しを少し待つ」
「まだ給与収入があるから取り崩さない」
「相場環境が良いので予定どおり取り崩す」
といった柔軟な判断ができます。
もちろん、NISAでも暴落直後に取り崩さざるを得ない可能性はあります。
したがって、NISAだから安全という意味ではありません。
ただ、
「いつ売るか」を自分で決められる自由度が高い
という点は、iDeCoとの大きな違いだと私は考えています。
そのため私は、
iDeCoでは世界全体への分散を重視し、NISAでは米国株の成長力を重視する
という使い分けをしています。
これは、
「オルカンがS&P500より優れている」
という話ではありません。
「制度の違いと、自分の出口戦略を考えた結果、投資先を変えている」
ということです。
iDeCoの商品選びで私が重視する5つのポイント
ここまでの経験から、これからiDeCoを始める人や掛金を増額する人には、次の5点を確認してほしいと思います。
① 何に投資している商品なのか
まず重要なのは、
「その商品が何に投資しているのか」
を理解することです。
例えば、
- 全世界株式
- 米国株式
- 日本株式
- 先進国株式
- 新興国株式
- 債券
- REIT
などがあります。
商品名だけを見るのではなく、連動する指数や投資対象を確認しましょう。
② 信託報酬などのコスト
iDeCoは長期運用が前提です。
そのため、信託報酬などのコストは重要です。
一見するとわずかな差でも、20年、30年と積み重なれば無視できない差になる可能性があります。
ただし、
「信託報酬が最も安い商品=自分に最適な商品」
というわけでもありません。
投資対象やリスクなども含めて判断する必要があります。
③ 長期間保有できる商品か
私はこれを非常に重視しています。
例えば、
「今年最もリターンが高かったから」
という理由だけで商品を選ぶと、翌年に大きく下落したときに不安になるかもしれません。
大切なのは、
「その商品が暴落したときにも保有を続けられるか」
です。
④ 自分のリスク許容度に合っているか
株式100%の商品は、元本保証ではありません。
大きなリターンを期待できる一方で、大きな下落もあります。
だから、
「一番儲かりそうな商品」ではなく、「大きく下落しても積み立てを続けられる商品」
を選ぶことが重要だと私は考えています。
⑤ NISAなど他の資産とのバランス
そして、私が特に重視しているのがこれです。
iDeCoだけを見て、
「オルカンとS&P500、どちらがいい?」
と考えるのではなく、
「自分の金融資産全体で何を保有しているか」
を考える必要があります。
例えばNISAでS&P500を大量に保有している人が、iDeCoでもS&P500を選べば、資産全体として米国株への集中度が高くなります。
反対に、NISAとiDeCoの両方でオルカンを保有することも、決して悪い選択ではありません。
重要なのは、
iDeCo単体ではなく、資産全体のポートフォリオとして考えること
です。
オルカンとS&P500、どちらを選ぶべきか
iDeCoの商品選びでは、
「オルカンとS&P500のどちらがいい?」
と悩む人も多いと思います。
私は現在オルカンを選んでいますが、S&P500が悪いとは考えていません。
S&P500は米国の代表的な大型株で構成される指数で、米国企業の成長を取り込みたい人にとって有力な選択肢です。
一方、オルカンは米国だけでなく世界の株式市場へ分散します。
そのため、
米国の成長をより強く取り込みたい
→ S&P500
特定の国に集中せず世界全体へ投資したい
→ オールカントリー
という考え方ができます。
どちらが絶対に正しいということではありません。
重要なのは、
「なぜ自分はその商品を選ぶのか」
を自分自身が納得できることです。
NASDAQ100などの成長型商品はどう考えるか
2026年現在のiDeCoでは、NASDAQ100などの成長性の高い指数へ投資する商品も選択肢になっています。
AIや半導体などの成長分野への投資を考えれば、非常に魅力的に感じる人もいるでしょう。
私自身もNASDAQ100には魅力を感じています。
しかし、iDeCoの資産全体をNASDAQ100にする場合には慎重に考えたいところです。
なぜなら、特定の業種や企業への集中度が高くなりやすく、相場環境によっては大きな下落が起こる可能性があるからです。
特にiDeCoの場合、
「老後に使う時期が近づいてから大きく下落したらどうするのか」
という出口の問題まで考える必要があります。
高いリターンを狙うことだけではなく、
「その値動きを受け入れたまま、出口まで運用を続けられるか」
を考えておきたいところです。
まとめ|2026年12月のiDeCo改正を「商品選び」の見直しにも使おう
2026年12月から、iDeCoの拠出限度額が引き上げられる予定です。
これをきっかけに、iDeCoを始める人や掛金を増やす人も増えるでしょう。
しかし、
「掛金を増やす」だけで終わらせないこと
が大切だと思います。
せっかく長期間にわたって積み立てるのであれば、
- 何に投資するのか
- どのくらいのリスクを取るのか
- コストは高くないか
- NISAなど他の資産と重複していないか
- そして、最後にどう取り崩すのか
まで考えておきたいところです。
私自身、iDeCoでは複数の商品への分散から始まり、楽天VTIへの集中投資を経験し、現在は楽天・オールカントリー株式インデックス・ファンドを選んでいます。
「世界全体に分散された株式を長期保有し、出口で相場のタイミングを読む必要性をできるだけ減らしたい」
と考えているからです。
iDeCoの商品選びに絶対的な正解はありません。
大切なのは、
「一番儲かりそうな商品」を探すことではなく、「自分のライフプランと出口戦略に合った商品」を選ぶこと。
2026年12月の制度改正をきっかけに掛金を増やすのであれば、ぜひ一度、「何円積み立てるか」だけでなく「何を積み立て、最後にどう使うのか」まで考えてみてはいかがでしょうか。
私自身の経験が、これからiDeCoを始める方、そして2026年12月から掛金を増やそうと考えている方の参考になれば幸いです。
-

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