あの頃、
周囲から見れば、順調に進んでいるように見えていたと思います。
むしろ、
恵まれていると言われてもおかしくない状況でした。
でも、自分の中では、
まったく違う感覚でした。
重なっていたライフイベント
その時期、大きな出来事がいくつも重なっていました。
第一子の誕生。
家族との新しい生活のスタート。
博士号の取得。
そして、
新しい研究開発プロジェクトへの参加が決まりました。
どれも、本来であれば
喜ばしいことばかりです。
「うれしい」が感じられない
頭では分かっていました。
ありがたいことだということも、
周りの人に支えられていることも。
それでも、
心がついてきませんでした。
うれしいはずの場面で、
その感情がうまく出てこないのです。
外側と内側のズレ
外では、
それらしく振る舞っていました。
笑顔で。
感謝を伝えて。
でも、それは
頭で考えて作ったものに近かったと思います。
内側では、
不安や重さが消えることはありませんでした。
誰にも気づかれないように
人生の貴重なライフイベントを、
耐え難い不安感で迎えていることを、
何といえば誤解無く伝えられるのでしょうか。
いやいやとんでもない、
伝えるどころか気づかれてしまっては、
妻を始め皆の祝福の雰囲気を台無しにしてしまう。
ここは人に絶対に気づかれることなく、
自分の中の秘密にしなければならない。
精神科への受診もできなくなるから、
薬も今持っている分で終わり。
誰にも気づかれないように、
できるだけ普段通りに見えるようにしていました。
何もいらない
正直なところ、
こう思っていました。
博士号なんていらない。
仕事にも行きたくない。
誰にも会いたくない。
どこにも行きたくない。
ただ、家の中で静かに過ごしたい。
それだけでした。
振り返って思うこと
今振り返ると、
あの頃はかなり厳しい状態だったのだと思います。
ただ、その時の自分には、
それを整理する余裕はありませんでした。
外から見える姿と、
自分の中の状態は、
必ずしも一致しないのだと思います。
あの頃の自分は、
その差の中で、なんとか過ごしていました。
ここから先、
少しずつ向き合い方を探していくことになります。
同じような状態にある方の参考になることがあれば、
その過程も書いていこうと思います。
